ペトルス(その他表記)Petrus

改訂新版 世界大百科事典 「ペトルス」の意味・わかりやすい解説

ペトルス(アルカンタラの)
Petrus
生没年:1499-1562

スペインのフランシスコ会士,キリスト教霊性の大家。スペイン名ペドロ。アルカンタラAlcántaraに生まれ,サラマンカ大学法律を学んだ後,フランシスコ会士になる。1524年司祭になった後,修道院長や管区長の職を歴任し,42年以来みずから厳格な修道生活を実践しながら生涯にわたって会の改革のために尽力した。彼の改革精神はアビラテレサにも多大な影響を与えている。著作《祈り・黙想論》は霊性神学上のすぐれた作品である。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のペトルスの言及

【十字軍】より

…ここに〈贖宥(しよくゆう)〉(罪のゆるしに伴うつぐないの免除)という精神的特権を付与された武装巡礼団が公式十字軍として,2世紀余にわたって断続的に中近東各地へ派遣されることになった。
【十字軍の構造,時代・地域区分,行軍ルート】
 アミアンの隠者ペトルスPetrusをカリスマ的指導者と仰ぐ北フランスとライン川沿岸地方の民衆約2万人が,自発的にエルサレム巡礼を目ざして結成した〈先発隊〉の出発(1096年7月)を最初として,公式・非公式,大小無数の武装・非武装の海外進出団体(単位集団当り数百人から20万人余)が続々として東方へ向かった。その構成員には,貴族的・政治的・侵略的性格の強い要素と,民衆的・宗教的・平和的性格を示す要素とが混在する〈二重構造〉が見られ,十字軍の全期間を通じてこの複合性は持続された。…

※「ペトルス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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