ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ペニシリン発酵」の意味・わかりやすい解説 ペニシリン発酵ペニシリンはっこうpenicillin fermentation ペニシリンを工業的に生産する方法で,ペニシリウム・クリソゲヌム Penicillium chrysogenumの高生産性変異株をグルコースのような迅速に利用される炭素源で十分成育させたのち,徐々に利用されるラクトースのような炭素源を加えることにより発酵が進む。コーンスチープリカーのような有機窒素源,アンモニウム塩が必要であり,適度な通気が有効である。天然ペニシリンとしては,G,K,F,ジヒドロ-F,Xが知られており,前駆物質の種類を変えることによって各種ペニシリンをつくらせることも可能である。フェニル酢酸を間欠的に添加することによりGの生産量が高まる。天然ペニシリンをペニシリンアミダーゼで処理して得た6-アミノペニシラン酸を原料として,このアミノ基に種々の有機酸を縮合させることによって合成ペニシリンがつくられる。特にフェニルグリシンを結合させたアンピシリンは大腸菌,赤痢菌などのグラム陰性菌に作用するので広く利用されている。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by