赤痢菌(読み)せきりきん(英語表記)dysentery bacilli

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

赤痢菌
せきりきん
dysentery bacilli

真正細目,腸内細菌科,シゲラ属。細菌学者,志賀潔 (1871~1957) が発見。ヒトに細菌性赤痢を起すグラム陰性桿菌をいう。長さ 2.0μm ,幅 0.5μmで,鞭毛を欠き,芽胞をつくらない。自然界では哺乳類の腸管にのみ寄生し,サルやイヌから検出されることもあるが,ヒト以外には赤痢は起らない。ブドウ糖を分解して酸を産生するが,ガス発生はなく,ほとんどが乳糖非分解という点が,この菌の鑑別に重要である。赤痢菌は 1950年に免疫学的に次の4群に分けられることになった。A群 (志賀菌 Shigella dysenteriae) ,B群 (フレクスナー菌 S. flexneri) ,C群 (ボイド菌 S. boydii) ,D群 (ソンネ菌 S. sonnei) 。各群はその抗原構造の違いから,さらにいくつかの型に細分される。

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百科事典マイペディアの解説

赤痢菌【せきりきん】

赤痢の病原細菌。1898年(明治31年)に志賀潔が発見したのにちなみシゲラ属と名づけられる。非運動性,通性嫌気性のグラム陰性杆(かん)菌。抗原構造の違いで三十数種の型が区別されるが,A,B,C,D群の4群に大別される。経口感染し,大腸粘膜に侵入して増殖し,潰瘍を生じる。志賀毒素と呼ばれる毒素を産生するものもあり,これは病原性大腸菌O-157のつくるベロ毒素と類似している。一般に抗生物質が有効だが,型によって適性が異なるので,治療にはまず型の識別が重要。→嫌気性菌グラム陰性菌杆菌
→関連項目細菌赤痢

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大辞林 第三版の解説

せきりきん【赤痢菌】

ヒトの赤痢・疫痢の原因菌。グラム陰性桿菌かんきんで鞭毛べんもうを欠き非運動性。哺乳動物の腸管にのみ生息し汚水や蠅などにより伝播する。1898年(明治31)志賀潔により発見された。シゲラ。

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世界大百科事典内の赤痢菌の言及

【志賀潔】より

…この罹患病者の糞便中から一種の杆菌を発見,これを赤痢病原菌と断定し,97年12月細菌学雑誌に発表した。この発見者としての栄誉のため現在赤痢菌属は,彼の名にちなんでシゲラShigellaと命名されている。1901年から05年までドイツに留学。…

【赤痢】より

…その病原体によって細菌性赤痢とアメーバ赤痢に分類される。
[細菌性赤痢bacillary dysentery]
 病原体である赤痢菌は1897年志賀潔によって発見され,志賀の名にちなんでShigellaという属名がつけられた。赤痢菌は長さ2~4μm,幅0.4~0.7μmのグラム陰性の杆菌で,鞭毛はない。…

※「赤痢菌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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