グラム陰性菌(読み)ぐらむいんせいきん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「グラム陰性菌」の意味・わかりやすい解説

グラム陰性菌
ぐらむいんせいきん

グラム染色法によって染色されない細菌のグループをいう。グラム陽性菌に比べて薄層のペプチドグリカン層をもち、エタノールエチルアルコール)やアセトンなどの有機溶媒で洗浄すると、クリスタル紫(ヨード染色複合体)を保持できないために染色されない。この染色法による類別は、細胞の形状、鞭毛(べんもう)の着生状態といった他の形質とともに分類学上重要なものであり、抗生物質などの薬剤抵抗性などと共通点をもつ場合が多い。代表的な細菌としては、球菌のナイセリアNeisseria、ゲメラGemella桿菌(かんきん)では腸内細菌群(科)のアエロモナスAeromonas、ビブリオVibrio、プセドモナスPseudomonas、フラボバクテリウムFlavobacterium、アチネトバクターAcinetobacter、モラキシエラMoraxella、アルカリゲネルAlcaligens、ヘモフィルスHaemophilus、ブルセラBrusella、バクテロイデスBacteroidesなどがある。

[曽根田正己]

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