ペルーオウギハクジラ(英語表記)Mesoplodon peruvianus; pygmy beaked whale

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ペルーオウギハクジラ」の意味・わかりやすい解説

ペルーオウギハクジラ
Mesoplodon peruvianus; pygmy beaked whale

クジラ目ハクジラ亜目アカボウクジラ科オウギハクジラ属。オウギハクジラ属の中で最小種。最大体長は約 3.7m。雌より雄の方が大きい。出生体長は 1.6m程度。体色は全身黒灰色で,腹部淡色である。咬傷の白い跡が体表に残る。噴気孔は1個で頭部正中線上にある。頭部は小さく,嘴 (くちばし) は太く短い。嘴と前頭部の境目はない。背鰭 (せびれ) は体の後方3分の2に位置し,山型で先端はきわめて鈍く,ネズミイルカと似る。下顎歯槽がやや盛上がり,先端に1対の歯がある。発見例は少く,いずれも太平洋東部における熱帯海域の南緯8゜以南に限られる。ペルー沖におけるサメ流し網で混獲されている。これまでにわずかしか発見されていない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

潮力発電

潮の干満の差の大きい所で、満潮時に蓄えた海水を干潮時に放流し、水力発電と同じ原理でタービンを回す発電方式。潮汐ちょうせき発電。...

潮力発電の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android