ホーワス(英語表記)Haworth

改訂新版 世界大百科事典 「ホーワス」の意味・わかりやすい解説

ホーワス
Haworth

イギリス中部,ヨークシャーの西端近くにある小さな村。イギリスには珍しい山地で,気候はとくに冬が厳しく,荒涼とした周辺にはほとんど人は住みつかず,産業もない。作家ブロンテ姉妹の父,パトリック・ブロンテ牧師が1820年ここの教会に赴任して以来姉妹はここで死ぬまでの大半を過ごし,自然の中の孤独な生活が霊感の源となった。牧師館は現在〈ブロンテ博物館〉となっている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のホーワスの言及

【嵐が丘】より

…1847年刊。作品の舞台〈嵐が丘〉は,作者が育って死んだイングランド北部ウェスト・ヨークシャーのホーワスの荒涼たる丘陵地をモデルとし,原題の〈ワザリング〉とは,そこに吹きまくる強風の音を模したもの。捨児だった青年ヒースクリフと,彼を拾って育ててくれた地主アーンショーの娘キャサリンとの間の激しい情熱的な愛を描いた物語。…

【ブロンテ姉妹】より

…シャーロット・ブロンテCharlotte Brontë(1816‐55),エミリー・ブロンテEmily Brontë(1818‐48),アン・ブロンテAnne Brontë(1820‐49)の3姉妹で,いずれもイギリスの詩人,小説家。父パトリック・ブロンテはアイルランド出身で,苦学して大学を出,牧師としてイギリス中部ヨークシャーの教会を転々と回り,1820年荒涼とした寒村ホーワスの教区教会牧師に任命された。3姉妹も幼少のころからこの寂しい土地で暮らし,刺激も娯楽もない毎日の生活を,生まれながら身に備わった強い想像力で慰めた。…

※「ホーワス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」