ポリミキシンB(読み)ポリミキシンビー

化学辞典 第2版 「ポリミキシンB」の解説

ポリミキシンB
ポリミキシンビー
polymyxin B

ポリミキシン B1 と B2 の混合物.B1:C56H98N16O13(1203.47).B2:C55H96N16O13(1189.45).Bacillus polymyxaが産生するペプチド系抗生物質.緑膿菌を含むグラム陰性桿(かん)菌に殺菌的に作用する.グラム陰性菌細胞膜の外膜の酸性リン脂質と結合し,細胞膜障害を起こす.硫酸塩臨床で使用される.経口剤は白血病治療時の腸管内殺菌に,散剤創傷・熱傷および手術後の二次感染で患部に散布されて使用される.LD50 6.1 mg/kg(マウス静注).

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のポリミキシンBの言及

【抗生物質】より

…生物活性,耐性などもエリスロマイシンに類似しており,治療薬として用いられている。(7)コリスチン アミノ酸のつながった環状ペプチド構造をもち,ポリミキシンBも類似物質。ともにバチルス属の細菌から見いだされ,グラム陰性菌にのみ有効で,とくに他の抗生物質に比べ緑膿菌に強い作用をもつことが特徴である。…

※「ポリミキシンB」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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