マクシムグレク(英語表記)Maksim Grek

改訂新版 世界大百科事典 「マクシムグレク」の意味・わかりやすい解説

マクシム・グレク
Maksim Grek
生没年:1470ころ-1556

ロシアで活動したギリシア修道士,宗教思想家。俗名ミハイル・トリボリス。イタリアで学び,ドミニコ会士サボナローラなどの影響をうけてカトリックの修道士となったが,ギリシアに帰国後東方正教に改宗した。アトス山で修行中,1518年モスクワ大公ワシーリー3世に招かれてモスクワに赴き,教会典礼書の改訂などを行った。教養豊かな修道者として深い尊敬をうけたが,ニル・ソルスキーに代表される〈非保有派〉的立場を表明した。そのため教会当局の弾圧をうけ,25年,31年の宗教会議で断罪され,51年まで幽閉された。結局ギリシアへの帰国の夢を果たせず,トロイツェ・セルギエフ修道院で死亡した。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android