修道者(読み)しゅうどうしゃ(その他表記)the religious

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「修道者」の意味・わかりやすい解説

修道者
しゅうどうしゃ
the religious

キリスト教の用語。修道士ともいわれ,修道院もしくは修道会に所属して,神に特別な誓いをたて,通常共住形式のもとに自己の宗教的完成を目指して規律ある宗教生活を送る独身のキリスト信者の総称。誓いの内容は一般に,貞潔 (独身) ,清貧 (固有財産の放棄) ,修道院上長への服従の3つである。修道生活の禁欲的伝統は古代にさかのぼるが,一定地に共住する修道生活が発展をとげたのは6世紀のベネディクト会修道院以後のことで,この系統の共住生活に重点をおく修道者がモンク monkと呼ばれる。西欧のキリスト教における修道制度は,11世紀以後の修道参事会士,13世紀に創立されたドミニコ会,フランシスコ会などの托鉢修道者,16世紀からはイエズス会をはじめとする修道司祭会士など多様な発展をみせた。その生活と活動は,観想,農園経営などの労働,学問研究,教育,社会福祉,教会における司牧,宣教など広い領域にわたり,教会の改革にもしばしば指導的役割を果したが,特に 16世紀以後の世界的宣教に果した役割は大きい。ギリシア正教などの東方教会においても修道制度は西方教会に劣らない発達があり,主教となる資格は修道者のみに与えられるなど,修道者は尊重されている。修道生活をおくる者には女子多く修道女と呼ばれ,その生活と理想は,男子の修道者と基本的に同じである。

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