マティニヨン協定(読み)マティニヨンきょうてい(英語表記)Matignon Accords

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マティニヨン協定」の意味・わかりやすい解説

マティニヨン協定
マティニヨンきょうてい
Matignon Accords

フランス人民戦線内閣 (→人民戦線 ) のもとで成立した労使協定。 1936年4~5月の総選挙で社会党の L.ブルムを首班とする人民戦線内閣が成立し,この勝利に力を得た労働者がそれまでの緊縮財政下での圧迫感から解放され,ストライキ工場占拠などを頻発させた。6月ブルム首相は雇用者の団体である生産総連合 CGPFとフランス労働総同盟 CGTの代表を首相官邸のオテル・マティニヨンに招き労使協定を結ばせた。これによって労働者と使用者は団体協約を締結し,労働者が組合に加入する権利を認め,また週 40時間労働制,賃金の7~15%引上げ,有給休暇の実施が約束された。

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世界大百科事典(旧版)内のマティニヨン協定の言及

【人民戦線】より

…こうした状況の中でブルム内閣は労資の調停に努め,6月8日,政府,資本家側代表,労働総同盟代表(CGTとCGTUはこの年3月統一を実現していた)により協定が結ばれた。これは会談の行われた建物にちなんでマティニョン協定les accords Matignonと呼ばれる。この協定を基礎に議会では有給休暇,団体協約,週40時間労働の3法をはじめ,各種の社会・労働立法が成立した。…

【CGT】より

…労働総同盟Confédération générale du travailの略称。フランス労働総同盟と訳されることも多い。ただしConfédérationは〈連合〉と訳すのが適当である。フランス最大のナショナル・センターで,傘下労働者数64万人(1995)。組合員の構成をみると,男子,壮年,現場労働者の占める比率がかなり高い。組合幹部には共産党員が多く,したがって組合独自の主張は少なく,共産党の〈伝導ベルト〉ともいわれる。…

※「マティニヨン協定」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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