マラン(インドネシア)(読み)まらん(英語表記)Malang

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マラン(インドネシア)」の意味・わかりやすい解説

マラン(インドネシア)
まらん
Malang

インドネシアジャワ島東部の都市。スラバヤの南方80キロメートル、テンゲル山地とカウィ火山(2651メートル)の裾合谷(すそあいだに)に位置し、ブランタス川上流に臨む。標高455メートル。人口51万1780(1980)、138万2786(2018推計)。18世紀のすえ、付近のコーヒー栽培が盛んになるとともに発展し、さらにオランダ領時代には高原保養都市として開発され、また軍事基地ともされた。現在はコーヒー、砂糖、タバコなどの集散地ともなっている。市街は近代的で美しく活気があり、かつてのマジャパヒト王の名にちなむブラウィジャヤ博物館は、ジャワでもっとも近代的な博物館の一つである。マランを中心にオランダ領時代からいくつかの高原保養地が開かれたが、なかでも西方20キロメートルのアルジュノ火山の南麓(なんろく)にあるセレクタは有名。なお、この地方は中部ジャワと並んで古くからヒンドゥー・ジャワ文化の栄えた土地で、シンゴサリ王朝の遺跡も多い。

[別技篤彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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