改訂新版 世界大百科事典 「マンネスマン会社」の意味・わかりやすい解説
マンネスマン[会社]
Mannesmann AG
ドイツの大手銑鋼一貫メーカーで,マンネスマン式シームレス鋼管で有名。本社デュッセルドルフ。1890年,デュッセルドルフに設立されたマンネスマン鋼管会社がその母体で,その後,1910年代に炭鉱を吸収,さらに29年に製鉄,製鋼部門を整備し,銑鋼一貫メーカーとなった。52年に現社名となる。第2次大戦後,60年代中ごろまで製品の種類を鋼管から鋼板類,棒鋼類と拡大する方向をとったが,60年代末から石炭鉱山部門を分離し,鋼板と棒鋼の設備を他社へ移管する一方,他社の鋼管部門を吸収し,鋼管メーカーに特化していったが,80年代以降とくに旧デマーク社のグループなどを含む機械・プラント,エンジニアリングなどに多角化を図り,連結決算子会社は200に達する。通信事業の拡大に努め,99年イギリスの携帯電話会社オレンジ社を買収。イギリスの携帯電話最大手のボーダフォンがマンネスマンのTOB(株式公開買付け)に乗り出し,2002年両者の合意によりマンネスマンはボーダフォン・グループに買収された。
執筆者:下田 雅昭
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報