鋼製の管。鋼管は製法上継目(つぎめ)無し(シームレスseamless)鋼管と溶接(ウェルドweld)鋼管に分類される。
(1)継目無し鋼管 約1200℃に加熱した丸鋼片をマンネスマン穿孔(せんこう)機にかけて素管をつくる。マンネスマン穿孔機とは太鼓型のロールを斜交させた圧延機であり、これにより丸棒をしごくと中心部に孔(あな)があく。孔にプラグを挿入して肉厚が整えられる。このようにしてつくられた素管を、プラグミルあるいはピルガミルとよばれる圧延機を通して内径、外径および内外表面が整えられる。別の製造方法としては、赤熱した丸棒にプラグをあてがって後方より水圧機で押し出して素管をつくる。
(2)溶接鋼管 帯鋼(おびこう)を1300℃程度に加熱し、さらにエッジブロアで帯鋼の両端に空気を吹き付けて酸化熱により融点直下まで加熱する。この状態で第1ロールでU字形に曲げ、第2ロールで円に丸めながら端面を圧着してパイプとする。この方法をフレッツムーン法という(鍛接鋼管)。数段のロールによって帯鋼をしだいにパイプ状に丸め、端面を電気抵抗溶接機または低周波誘導溶接機、高周波誘導溶接機、アーク溶接機などで加熱し、接合する方法で製造された鋼管を電縫管(でんぽうかん)という。継目無し鋼管のほうが高級の用途に供される。
鋼管は配管用、熱伝達用、構造用、油井用、電線管用などに利用される。また、軸受鋼製鋼管を輪切りにして軸受用レースをつくることもある。材質には、炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼など各種がある。天然ガスや石油などを遠隔地に輸送する目的の鋼管をラインパイプという。輸送量の増大と使用鋼材の軽量化とを図るために、大径化と材質の高張力化、薄肉化が進められている。大径管の場合、鋼板をプレス機によって初めU形に曲げ、次にO形に丸めて端面を溶接するU‐O法や、帯鋼を螺旋(らせん)状に丸めて端面を溶接するスパイラル製管法などが用いられる。
[須藤 一]
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…金属材料のインゴットを,圧延,溶接などによって管状に加工したものの総称。とくに鋼製のものは鋼管と呼ばれる。金属管はわれわれの日常生活をはじめとして社会のありとあらゆるところで利用されている。…
※「鋼管」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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