鋼管(読み)こうかん(英語表記)steel pipe

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

鋼管
こうかん
steel pipe

円筒形に成形された鋼材。利用目的に従っていろいろな種類があるが,普通ガスや蒸気などの配送用鋼管,およびボイラチューブなど熱伝導用鋼管として用いられるほか,構造用鋼管としてくいなどに用いる。製造方法は大別して,溶接鋼管継ぎ目なし鋼管に分れる。溶接鋼管は帯鋼または広幅帯鋼を溶接してつくり,継ぎ目なし鋼管は熱間または冷間で引抜いてつくる。溶接技術の向上につれて溶接鋼管の比重が高まっており,継ぎ目なし鋼管は,高級な利用目的に限られるようになっている。溶接鋼管の大口径のものとしてスパイラル鋼管,UOプレス鋼管などがふえ,また構造用鋼管の需要もふえている。

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百科事典マイペディアの解説

鋼管【こうかん】

鋼製の管。丸棒状の管材に穴あけして内外両面から圧延する継目なし鋼管は,ボイラー用管,油井管など高圧用配管に使用。一般用には,鋼板を自動電気溶接した電縫鋼管その他の溶接鋼管や,加熱した帯鋼を朝顔形ダイスで引き抜き圧着する鍛接鋼管がある。そのほか亜鉛めっきしたもの,化学工業用などのステンレス鋼管,大口径のスパイラル鋼管など種類が多い。網目なし鋼管は,日本では1912年に住友伸銅場で作られ,1970年代には新日本製鐵で圧延穿孔法が開発された。
→関連項目金属管鍛接抵抗溶接

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

鋼管
こうかん
steel pipetube

鋼製の管。鋼管は製法上継目(つぎめ)無し(シームレスseamless)鋼管と溶接(ウェルドweld)鋼管に分類される。
(1)継目無し鋼管 約1200℃に加熱した丸鋼片をマンネスマン穿孔(せんこう)機にかけて素管をつくる。マンネスマン穿孔機とは太鼓型のロールを斜交させた圧延機であり、これにより丸棒をしごくと中心部に孔(あな)があく。孔にプラグを挿入して肉厚が整えられる。このようにしてつくられた素管を、プラグミルあるいはピルガミルとよばれる圧延機を通して内径、外径および内外表面が整えられる。別の製造方法としては、赤熱した丸棒にプラグをあてがって後方より水圧機で押し出して素管をつくる。
(2)溶接鋼管 帯鋼(おびこう)を1300℃程度に加熱し、さらにエッジブロアで帯鋼の両端に空気を吹き付けて酸化熱により融点直下まで加熱する。この状態で第1ロールでU字形に曲げ、第2ロールで円に丸めながら端面を圧着してパイプとする。この方法をフレッツムーン法という(鍛接鋼管)。数段のロールによって帯鋼をしだいにパイプ状に丸め、端面を電気抵抗溶接機または低周波誘導溶接機、高周波誘導溶接機、アーク溶接機などで加熱し、接合する方法で製造された鋼管を電縫管(でんぽうかん)という。継目無し鋼管のほうが高級の用途に供される。
 鋼管は配管用、熱伝達用、構造用、油井用、電線管用などに利用される。また、軸受鋼製鋼管を輪切りにして軸受用レースをつくることもある。材質には、炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼など各種がある。天然ガスや石油などを遠隔地に輸送する目的の鋼管をラインパイプという。輸送量の増大と使用鋼材の軽量化とを図るために、大径化と材質の高張力化、薄肉化が進められている。大径管の場合、鋼板をプレス機によって初めU形に曲げ、次にO形に丸めて端面を溶接するU‐O法や、帯鋼を螺旋(らせん)状に丸めて端面を溶接するスパイラル製管法などが用いられる。[須藤 一]

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精選版 日本国語大辞典の解説

こう‐かん カウクヮン【鋼管】

〘名〙 鋼鉄製の管。液体の輸送、加熱、冷却などに使用され、高い圧力に耐えられる。製法により引抜鋼管と鍛接鋼管の二種がある。〔五国対照兵語字書(1881)〕

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世界大百科事典内の鋼管の言及

【金属管】より

…金属材料のインゴットを,圧延,溶接などによって管状に加工したものの総称。とくに鋼製のものは鋼管と呼ばれる。金属管はわれわれの日常生活をはじめとして社会のありとあらゆるところで利用されている。…

※「鋼管」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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