ミェシコ(1世)(読み)みぇしこ(英語表記)Mieszko Ⅰ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミェシコ(1世)」の意味・わかりやすい解説

ミェシコ(1世)
みぇしこ
Mieszko Ⅰ
(922ころ―992)

ポーランドの歴史上最初の君主。諸部族を統合してポーランド国家の基礎を築き、963年ごろ即位した。965年チェコ人と同盟を結び、ボヘミア公ボレスワフ1世の娘と結婚し、翌年キリスト教の洗礼を受け、ドイツ人の東方進出に対抗した。初めはドイツ皇帝朝貢し、皇帝の命によって異民族と闘ったが、のち敵対し、皇帝オットー2世の遠征軍を撃退した。980年ドイツ人貴族の娘と再婚。その後領土を拡大し、985年にはオットー3世に忠誠を誓ったが、ドイツ人の支配を免れるため、ポーランドをローマ教皇の保護下に置いた。晩年、領土を長子のボレスワフと後妻の息子たちに分割した。

[安部一郎]

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