朝貢(読み)チョウコウ

デジタル大辞泉 「朝貢」の意味・読み・例文・類語

ちょう‐こう〔テウ‐〕【朝貢】

[名](スル)外国使者などが来朝して朝廷貢物を差し出すこと。来貢。

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精選版 日本国語大辞典 「朝貢」の意味・読み・例文・類語

ちょう‐こうテウ‥【朝貢】

  1. 〘 名詞 〙 諸侯や外国の使いが来朝して、朝廷に貢物(みつぎもの)をさし出すこと。来貢。
    1. [初出の実例]「渤海郡者旧高麗国也。淡海朝廷七年冬十月、唐将李勣伐滅高麗、其後朝貢久絶矣」(出典:続日本紀‐神亀四年(727)一二月二九日)
    2. 「熊襲又反乱して朝貢(コウ)せず」(出典:神皇正統記(1339‐43)上)
    3. [その他の文献]〔漢書‐王莽伝〕

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「朝貢」の解説

朝貢(ちょうこう)

旧中国に対する海外諸国の偏務的外交・貿易形態。漢代以降の外国貿易は地大物博を誇る中国が,中国の物資に憧れてくる外国人に施す慈恵という形の下に運用された。中国皇帝から承認された朝貢国は,所定の年度に所定の人数の朝貢使節団(商人を含む)を所定の入国地点(開港場互市場)を経由して派遣した。朝貢使は入国の港ないし首都で貢物を呈し回賜を受けた。港では関税を徴されるが,貢物以外は中国内で貿易できた。この制度の運用は,東北方面の隣国に対して厳しく,時代的には明初に厳格に行われた。清代になると西欧諸国の近代国際法との間に摩擦が生じた。

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百科事典マイペディア 「朝貢」の意味・わかりやすい解説

朝貢【ちょうこう】

冊封体制

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普及版 字通 「朝貢」の読み・字形・画数・意味

【朝貢】ちようこう

入貢

字通「朝」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の朝貢の言及

【朝貢貿易】より

…中国の前近代外交(朝貢)に伴って生じた貿易形式。文明が孤立的に発展し,北方の牧民を除けば強敵を近隣に長くもたなかった中国では,ヨーロッパ流の主権が国民にある国家相互間の対等で自由な国際外交・互恵貿易の観念に乏しかった。…

【明】より

…南方ではベトナムの混乱に乗じて出兵し,安南布政司を設けて直接支配下に置いたほか,宦官(かんがん)鄭和に大船団を率いさせ,南海からインド洋,さらに東アフリカに達する大遠征を行わせた。鄭和の遠征は,洪武帝の海禁政策のわくの中で,海外諸国の朝貢貿易を促進するところに,最大の意味があり,それはある程度成功を収めたと考えられるが,後の時代への影響としては,中国人の海禁を犯した海外活動を勢いづけたように思われる。またベトナム支配は,民族的な抵抗を受けて,宣徳帝(在位1426‐35)のときには安南布政司を廃止して撤退し,ベトナム人のレ(黎)朝を認めざるを得なくなった。…

※「朝貢」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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