ムクロジ科(読み)むくろじか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ムクロジ科」の意味・わかりやすい解説

ムクロジ科
むくろじか
[学] Sapindaceae

双子葉植物、離弁花類常緑または落葉高木または低木であるが、つる草もある。葉は互生し、普通は羽状複葉、まれに単葉。花は両性であるが、単性のものもある。萼片(がくへん)、花弁は4、5枚で、放射相称または左右相称。雄しべは4~12本。雄しべと花弁の間に、環状または腺体(せんたい)状の花盤がある。子房は3室まれに2室。果実は蒴果(さくか)、翼果または核果状の分果。熱帯亜熱帯を中心に60属約600種分布する。レイシリュウガンなどの熱帯果樹がある。日本にはハウチワノキ属、モクゲンジ属、ムクロジ属など、5属5種が野生する。つる草のフウセンカズラは本州では園芸植物として栽培されるが、沖縄では畑の害草である。

[山崎 敬 2020年9月17日]

 APG分類では、元のムクロジ科、カエデ科、トチノキ科が統合されたものがムクロジ科となった。世界の熱帯・亜熱帯を中心に約140属1900種が分布する。日本には6属32種が自生している。

[編集部 2020年9月17日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ムクロジ科」の意味・わかりやすい解説

ムクロジ科
ムクロジか
Sapindaceae

双子葉植物ムクロジ目の1科。新旧両大陸の熱帯から亜熱帯にかけて 150属 2000種ほどが知られる大きな科で,その大半は高木または低木であるが,5属 300種ほどはつる植物である。葉は羽状複葉で,長い柄で互生する。花は小さいが多数ついて集散花序をつくる。雌花雄花があり,通常は同株につく。萼片,花弁は各5枚,おしべは2輪で計 10本。雌花でもおしべがよく発達するが花粉はつくらない。めしべは1個で子房は3室。果実は液果蒴果堅果核果などさまざまである。また,ハウチワノキ属 Dodoneaのように翼果をつけるものもある。レイシ (茘枝)やリュウガンは熱帯果樹として東南アジアで栽培される。

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