樹木を樹高で区分したときの生態学的定義で、高木、亜高木、矮生(わいせい)低木などに対する用語。かつては灌木(かんぼく)とよんだ。デンマークの植物生態学者ラウンケルの生活型分類では2~8メートルまでの樹木をいう。また、単に低木という場合には、本来高木になる種の若木段階の個体と、狭義の低木種(ほぼ人の背丈以下)をともに含む。とくに群落の階層構造で低木層という場合には若木段階と低木種をいっしょに扱っている。しかし、いろいろの生態学的特性からみると、前者は若木であり、後者は成木を含むため、著しい差異があることになる。開花、繁殖、枝の分枝様式などからみると、個体群動態、光の利用といった面でそれぞれに特徴がある。狭義の低木種では、生殖成長を行うため、枝はすぐに短枝化し、末端枝の分枝も盛んである。地上部の寿命はせいぜい50年ほどで、株としては古くなっても根元から新しい地上部を出し、更新していることが多い。
[大澤雅彦]
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…草(草本植物)に対応する語。大きさによって高木(喬木(きようぼく))と低木(灌木)に区別することもある。高いものではオーストラリアのユーカリの1種のように130mに達するものがあり,小さいものでは草本と同じような生育形のコケモモやヤブコウジのような例がある。…
…喬木(きようぼく)ともいい,灌木(低木)以外の木本,すなわち普通人間の背丈より高いものをいう。喬木という場合,その語感から,高さ10mを超えるようなものを意味することが多い。…
※「低木」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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