低木(読み)テイボク

デジタル大辞泉 「低木」の意味・読み・例文・類語

てい‐ぼく【低木】

低い木。ふつう高さ約2メートル以下樹木主幹がはっきりせず、根ぎわから数本に分かれて出るものが多い。灌木かんぼく。⇔高木
[類語]灌木樹木木本木木きぎ花木果樹雑木苗木若木成木古木老い木老木老樹生木立ち木埋もれ木枯れ木朽ち木倒木流木名木霊木神木大木大樹巨木巨樹高木喬木

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精選版 日本国語大辞典 「低木」の意味・読み・例文・類語

てい‐ぼく【低木】

  1. 〘 名詞 〙 樹木植物のうち通常、生長しても人の背丈程度にとどまり、幹と呼べるものがなく、根元から次々に新しい枝を派出するもの。灌木。⇔高木
    1. [初出の実例]「暮れ方の庭に野鶲が二羽、低木の錦木の上にとまって」(出典:紬の里(1971)〈立原正秋〉三)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「低木」の意味・わかりやすい解説

低木
ていぼく

樹木を樹高で区分したときの生態学的定義で、高木、亜高木、矮生(わいせい)低木などに対する用語。かつては灌木(かんぼく)とよんだ。デンマークの植物生態学者ラウンケルの生活型分類では2~8メートルまでの樹木をいう。また、単に低木という場合には、本来高木になる種の若木段階の個体と、狭義の低木種(ほぼ人の背丈以下)をともに含む。とくに群落の階層構造で低木層という場合には若木段階と低木種をいっしょに扱っている。しかし、いろいろの生態学的特性からみると、前者は若木であり、後者は成木を含むため、著しい差異があることになる。開花、繁殖、枝の分枝様式などからみると、個体群動態、光の利用といった面でそれぞれに特徴がある。狭義の低木種では、生殖成長を行うため、枝はすぐに短枝化し、末端枝の分枝も盛んである。地上部の寿命はせいぜい50年ほどで、株としては古くなっても根元から新しい地上部を出し、更新していることが多い。

[大澤雅彦]

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百科事典マイペディア 「低木」の意味・わかりやすい解説

低木【ていぼく】

高木の対。ふつう人間身長より低い小型の木本(もくほん)で,基部から数本の幹が束生するものをいう。従来は灌木(かんぼく)といった。大低木,小低木などに分けることもあるが,その区別,また小高木との区別は,いずれも便宜的なもので明確ではない。
→関連項目生活形

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「低木」の意味・わかりやすい解説

低木
ていぼく
shrub

灌木ともいう。高木 (喬木) に対する語。人間の背丈ほどかそれ以下の木本をさすが,高木との区別は便宜的なものである。低木の高さではあるが幹が長く地上にはっているもの (コケモモなど) は,区別して亜低木 suffrutexということがある。

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改訂新版 世界大百科事典 「低木」の意味・わかりやすい解説

低木 (ていぼく)

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世界大百科事典(旧版)内の低木の言及

【木】より

(草本植物)に対応する語。大きさによって高木(喬木(きようぼく))と低木(灌木)に区別することもある。高いものではオーストラリアのユーカリの1種のように130mに達するものがあり,小さいものでは草本と同じような生育形のコケモモやヤブコウジのような例がある。…

【高木】より

…喬木(きようぼく)ともいい,灌木(低木)以外の木本,すなわち普通人間の背丈より高いものをいう。喬木という場合,その語感から,高さ10mを超えるようなものを意味することが多い。…

※「低木」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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