メルク(Johann Heinrich Merck)(読み)めるく(英語表記)Johann Heinrich Merck

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

メルク(Johann Heinrich Merck)
めるく
Johann Heinrich Merck
(1741―1791)

ドイツの批評家、小説家。ダルムシュタット生まれ。鋭い批判精神で幅広い評論活動を展開、ヘルダーや若きゲーテに強い影響を与えた。若き日の旅の途上メルクを訪れたゲーテは、その風貌(ふうぼう)をメフィストフェレスの姿に表したともいわれる。『フランクフルト学術通報』やウィーラントの『ドイチェ・メルクール』誌(1773刊)などに風刺的な詩や寓話(ぐうわ)、短編小説を書いて、市民的自由のために闘い、芸術家を擁護し、また鼓舞した。事業に失敗して自殺主著没後刊行された『文芸評論集』(1840)がある。

[今泉文子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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