精選版 日本国語大辞典 「ウィーラント」の意味・読み・例文・類語
ウィーラント
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ドイツの小説家,詩人。南ドイツの小都市ビーベラハで牧師の家庭に育つ。はやくから詩才を示し,チュービンゲンで法学を修めたのち,チューリヒの高名の批評家ボードマーの庇護を受け,作家としての教養を積んだ(1752-60)。さらに故郷ビーベラハで市政にたずさわる間(1760-69)に人間として作家として成長を重ね,長編《ドン・シルウィオ》(1764)と《アーガトン物語》(1766-67),物語詩《ムザーリオン》(1768)を発表。エルフルト大学で哲学と歴史を講じながら創作をつづけ(1769-72),政治小説《黄金の鏡》(1772)を機縁にワイマール公国の嗣子カール・アウグストの教育官に任ぜられた。この職務が終わったのちも生涯ゲーテをはじめワイマールの古典主義者たちのサークルにとどまり,風刺小説《アブデラの人びと》(1774-76),物語詩《オーベロン》(1780)などの傑作を発表。初期の物語詩はロココ趣味の官能性のため非難を浴びたが,円熟期の作品は,スペイン,ギリシア,東方に舞台を借りながら,善と美,理性と感性の調和を説き,教訓性と娯楽性の均衡,優美で明快な文体によってヨーロッパ文学の水準に達している。翻訳家としてもすぐれ,シェークスピア(散文訳8巻,1762-66)のほか,多くの古代著作家のものを手がけた。彼が主宰した《ドイツのメルクール》(1773-1810)は当時もっとも有力な文芸雑誌。その数編の随想からは,フランス革命前後の彼の冷静・中庸な政治思想がよくうかがえる。
執筆者:南大路 振一
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ドイツの有機化学者,生化学者.ミュンヘン大学,ベルリン大学,シュツットガルト工科大学などで学び,1901年ミュンヘン大学で学位を取得したのち大学に残った.第一次世界大戦中,カイザー・ウィルヘルム協会化学研究所で,F. Haber(ハーバー)のもとで毒ガス研究をし(1917~1918年),戦後,ふたたび大学に戻り,フライブルク大学を経て,1925年ミュンヘン大学でR. Willstätter(ウィルシュテッター)の後を継いで有機化学教授になった.生理活性の天然化合物の構造決定への関心から,アルカロイドや胆汁酸の構造を研究し,1927年胆汁酸の研究でノーベル化学賞を受賞.生体内の酸化還元機構について水素活性化説を提唱して,酸素活性化説を提唱したO. Warburg(ワールブルク)と対立・論争した.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…にもかかわらず,刀剣,特に長剣が武器を代表するという観念はつねに存在したし,権力や身分のみならず,ときには神秘的な力の象徴であった。鍛造に高度の技術を要したうえに鋭利さが賛嘆の念を誘ったからでもあるが,ゲルマン人の古伝説に登場するウィーラントのように超人的な神工が語られ,また《ローランの歌》の中のデュランダル,ジョアイユーズ,オートクレールのようにほとんど擬人化されたのも,数ある武器の中で刀剣に限られている。この武勲詩では,臨終の主人公が愛剣に語りかける場面で流露する感情は盟友に対するそれに近い。…
…天然物のなかでも二次代謝産物の構造決定と全合成は20世紀有機化学者の大きな課題であった。A.ウィンダウスはコレステロールに,H.O.ウィーラントは胆汁酸に取り組み,紆余曲折はあったが1930年代までにそれらの構造を明らかにした。同じころ性ホルモンのdl‐エキレニンの全合成がなされ,さらに1952年にはウッドワードRobert Burns Woodward(1917‐79)がコレステロールの全合成に成功した。…
※「ウィーラント」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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