モーリヤック(Claude Mauriac)(読み)もーりやっく(英語表記)Claude Mauriac

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

モーリヤック(Claude Mauriac)
もーりやっく
Claude Mauriac
(1914―1996)

フランスの小説家、批評家。フランソアモーリヤック長男。文芸評論家として登場し、映画批評の分野でも活躍。鋭い感受性と理解力に富み、前衛文学の好意的案内者であった。小説『あらゆる女は妖婦(ようふ)である』Toutes les femmes sont fatales(1957)をはじめ、『晩餐会(ばんさんかい)』(1959)、『侯爵夫人は5時に外出した』(1961)、『忘却』(1966)などのほか、1974年以降刊行を続け全10巻に達した日記のモンタージュ『動かない時間』Le Temps immobile(1974~1988)が時代証言として貴重である。なお、クロード・モーリヤック夫人はマルセル・プルーストの弟ロベールの孫娘にあたり、プルースト血筋は今モーリヤック家に受け継がれている。

岩崎 力]

『安東次男訳『あらゆる女は妖婦である』(集英社文庫)』『岩崎力訳『忘却』(1980・集英社)』『岩崎力訳『晩餐会』(1973・集英社)』

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