日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヤグラタケ」の意味・わかりやすい解説
ヤグラタケ
やぐらたけ / 櫓茸
[学] Asterophora lycoperdoides (Mérat) S. F. Gray
担子菌類、マツタケ目キシメジ科に属する小形のキノコ。他のキノコに寄生するという特異な生活をする。宿主はクロハツをはじめとするベニタケ属のキノコである。傘は径2~3センチメートル、初め白いが熟すると中央部から粘土色の粉の塊に変わる。これは、肉の菌糸が細かくちぎれて無性的な厚膜胞子に変わるためである。厚膜胞子は星形の突起を備え、径16~20マイクロメートル。有性の担子胞子はひだの表面につくられるが、無色で、約4マイクロメートル×3マイクロメートルの楕円(だえん)形。北半球温帯以北、日本各地に広く分布する。
[今関六也]