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ヤハズグサ

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海藻海草標本図鑑の解説

ヤハズグサ

からだは始め中肋を持つ一枚の単状の葉状体であるが,中肋より二次葉を発出し,同様に二次葉より三次葉,三次葉より四次葉を出して樹枝状になる。生長すると,一次葉では翼葉が脱落して中肋のみとなり,枝として機能しているようにみえる。近縁のヘラヤハズも 同様の構造をするが,本種の方が葉が広く,薄いので区別できる。円錐盤状の付着器付近は短毛が密生し,下部の体表面にも短毛が密生する。また,付着器で繋 がった複数の個体が確認されることから,栄養繁殖しているものと考えられる(ヘラヤハズより少ない)。顕微鏡で観察すると,からだの先端には生長点細胞が 一列に並ぶ。細胞層を見ると皮層には球形〜四角形の細胞が並び,髄層には無色の細胞がやや規則性を持って並ぶ。手触りはややセルロイド質で,中肋部は硬い 軸状。生体は濃褐色だが,空気にさらすとすぐに枯死し始め,枯死した部分は緑がかった淡褐色に変色し,硫酸を放出し崩れる。このため,ヘラヤハズやウルシグサなどと同様に採集時には他の海藻と分けておき,海水に浸した状態で持ち帰る必要がある。押し葉標本は台紙につきにくい。

出典|千葉大学海洋バイオシステム研究センター銚子実験場「海藻海草標本図鑑」
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ヤハズグサ
やはずぐさ / 矢筈草
[学]Dictyopteris latiuscula Okamura

褐藻植物、アミジグサ科の多年生海藻。淡褐色で、叉(さ)状あるいは不規則に分岐する中軸枝をもち、その左右に薄膜葉片をつけ、分枝体となる。和名は矢の後端部の矢筈(やはず)に似ることによっている。体高20センチメートル以内。温海性で、外海浅所の岩礁上に生育する。同属には、葉片にしわの多いシワヤハズD. undulata、葉片が細くて硬いヘラヤハズD. prolifera、北海道産で葉片が広いエゾヤハズD. divaricataなどがある。[新崎盛敏]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
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