知恵蔵 「ルパン三世」の解説
ルパン三世
主人公は、フランスのモーリス・ルブランの小説に登場する、怪盗アルセーヌ・ルパンの孫という設定のルパン三世。「狙った獲物は必ず奪う、神出鬼没の大泥棒」であるルパン三世と、次元大介、石川五ェ門、峰不二子、銭形警部ら個性的なキャラクターが織りなすアクションマンガである。
マンガは当初青年向けに描かれており、その後、大人向けのアニメとしてスタートしていたが、後に若者向けアニメに転向、全国で放送され人気を集めた。テレビ版アニメの第1シリーズは71年から72年まで、第2シリーズは77年から80年まで、第3シリーズとなる「ルパン三世PartⅢ」は84年から85年まで放送された。シリーズごとにルパンの着用するジャケットの色が変わっており、第1シリーズは緑、第2シリーズは赤、第3シリーズはピンクとなっている。第3シリーズまではルパン三世を山田康雄が演じていたが、95年に山田が急逝した後はものまねタレントの栗田貫一が演じている。2012年4月から6月まで放送された「LUPIN the Third―峰不二子という女」は峰不二子を主人公としたスピンオフ作品で、ルパンのジャケットの色は緑だった。これら通常放送の他に年に1度のペースでテレビスペシャルも多数製作されている。
劇場版アニメ映画は1978年に「ルパン三世 ルパンVS複製人間」が第1作として製作された。宮崎駿が監督・脚本を担当した第2作「ルパン三世 カリオストロの城」はテレビで何度も再放送され、人気を集めた。85年に第3作となる「ルパン三世 バビロンの黄金伝説」、87年に第4作「ルパン三世 風魔一族の陰謀」、85年に第5作「ルパン三世 くたばれ!ノストラダムス」、96年に第6作「ルパン三世 DEAD OR ALIVE」、2013年には番外編として「ルパン三世VS名探偵コナンTHE MOVIE」、14年に第7作「LUPIN THE ⅢRD 次元大介の墓標」が製作された。
実写映画化は1974年公開の「ルパン三世 念力珍作戦」(国際放映)が初。ルパン三世を目黒祐樹が、次元大介を田中邦衛が、峰不二子を江崎英子が、銭形警部を伊東四朗が演じていた。40年を経て2014年に再び実写版が製作された(監督・北村龍平)。タイトルは「ルパン三世」で、配給は東宝による。配役はルパン三世を小栗旬が、次元大介を玉山鉄二が、石川五ェ門を綾野剛が、峰不二子を黒木メイサが、銭形警部を浅野忠信が演じており、8月30日に公開となった。
15年には宝塚歌劇の演目として上演される。
(若林朋子 ライター / 2014年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報