ロジ族(読み)ロジぞく(英語表記)Lozi

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ロジ族」の意味・わかりやすい解説

ロジ族
ロジぞく
Lozi

バロツェ族 Barotseともいう。ザンビアの南西部バロツェランドに住むバンツー語系の 25集団の複合体をいう。人口約 68万と推定される。ロジは以前は最も有力なバロツェ族の最高首長の臣民と考えられ,バロツェ族と呼ばれたが,19世紀に王国を形成し,クワンガ,ムウェニ,コロロなどの諸民族を服属させて以来,ロジ族と呼ばれるようになった。主として農耕と牛牧に従事するが,漁労採集も行い,木彫と鉄製品の加工にすぐれている。親族の系譜は共系。政治組織は,地方組織,貢納組織およびマコロと呼ばれる政治=軍事組織の,機能を異にする三元構造から成り,人々は,共通の頂点にある最高首長と3重に結びつけられていた。イギリスの支配下でも比較的政治的独立を保ったが,下位首長の反乱がしばしば起った。ザンビアの独立後も分離独立の動きがあった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のロジ族の言及

【ザンビア】より

…伝統的な社会の政治的統合は多様な形態をとっていた。南部のトンガ族などは王国を形成しなかったが,ロジ族やベンバ族などは,奴隷や象牙の交易の富を蓄積して強力な王国を形成した。また,この地域のバントゥー系諸部族は,アンゴラからザンビア,モザンビークにかけて中央アフリカを帯状に広がる母系ベルトに属して,母系社会を形成することで有名である。…

※「ロジ族」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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