ワイズ(John Wise)(読み)わいず(英語表記)John Wise

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ワイズ(John Wise)
わいず
John Wise
(1652―1725)

アメリカの会衆派(組合派)牧師。マサチューセッツ植民地生まれ。ハーバード大学卒業。同植民地イプスウィッチ郡で牧師となり生涯を過ごす。会衆派の特色をなす個々の教会の独立と自治の原則を破ろうとしたピューリタンの牧師インクリース・メイザーIncrease Mather(1639―1723)とコットン・メイザーの父子に反対し、『教会論争のすすめ』The Church Quarrel Espoused(1710)と『ニューイングランド教会体制の擁護』A Vindication of the Government of New England Church(1717)を出したが、その優れた民主的思想は高く評価され、1772年と1860年に再出版されて、独立とその後の民主主義の発達に貢献した。政治と市民生活の民主的改革にも積極的で、1683年の増税不払い運動にかかわり、1689年には地方代表として植民地議会改組に参加する。魔女裁判にも強く反対した。

[中島和子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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