会衆派(読み)カイシュウハ(英語表記)Congregationalist

デジタル大辞泉 「会衆派」の意味・読み・例文・類語

かいしゅう‐は〔クワイシユウ‐〕【会衆派】

キリスト教プロテスタント一派。16世紀後半、英国国教会から分離した人たちが形成した。各個教会独立自治を主張する。→組合教会

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精選版 日本国語大辞典 「会衆派」の意味・読み・例文・類語

かいしゅう‐はクヮイシュウ‥【会衆派】

  1. 〘 名詞 〙 ( [ラテン語] Congregationes (ともに集まれるもの)に由来する語 ) 一六世紀イギリスに発した新教的キリスト教の一派の呼称。組合派ともいう。各教会は独自の原則に立ち相互の交わりを重んずるが、上からの支配を否定し、国家からの分離を主張する。独立派。組合派。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「会衆派」の意味・わかりやすい解説

会衆派
かいしゅうは
Congregationalist

イギリス、アメリカを中心とするプロテスタント諸教派の一派。組合派ともいう。原始教会に帰ることを理想とし、信仰をもった個人が自発的に形成する団体を教会とみなして、各個教会の独立性、自律性を尊重したため、独立派、分離派ともよばれた。歴史的には、16世紀後半エリザベス朝のブラウンRobert Browne(1550ころ―1633)、バロウHenry Barrow(1550ころ―93)にまでさかのぼり、その流れをくむブラウン派、バロウ派は、イングランド教会体制はもちろんのこと、厳格な教会規律を主張する長老派にも反対した。このため、これらの教派は迫害を逃れてオランダや新大陸に亡命しなければならなかったが、なかでも1620年ニュー・イングランドに移住したピルグリム・ファーザーズは有名である。しかし、ピューリタン革命が起こると、会衆派はふたたびイングランドでも勢力を得て、政治的にも軍隊の力を背景とする「独立派」の母体となって、長老派教会体制の主要な敵対者となった。クロムウェル体制のもとで会衆派は宗教上の完全な自由を獲得したものの、王政復古ののち礼拝統一法(1662)が制定されると、またもや迫害のもとに置かれた。このような経緯もあって、会衆派は新大陸に深く根を降ろし、ニュー・イングランドを中心として有力な教派に発展した。一方イギリス本国では、1689年、名誉革命の結果「寛容法」が定められ、会衆派もその存在を公に認められたが、依然、社会的差別が続いた。そこで1832年、会衆派諸教会は「会衆派ユニオン」Congregational Unionを結成し、社会的差別の撤廃に努めた。アメリカでは1810年「アメリカン・ボード」American Board of Commissioners for Foreign Missionsが結成されて海外伝道を開始し、明治時代初期日本にも関西を中心として伝道を行い、その後「日本組合基督(キリスト)教会」が設立された。(書籍版 1985年)
[小泉 徹]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「会衆派」の意味・わかりやすい解説

会衆派
かいしゅうは
Congregationalists; Congregational Church

独立派 Independentsともいう。地方教会の独立自治と相互の自由な朋友関係を強調するのが特色。教会の権威は信徒の各集団に内在し,集団はそれ自体,教会全体の縮約的具現であるとみる。すなわち各個教会はキリストを長とする教会全体の地方集会であり,全信徒は聖職者として神と直接的関係に立つ。 16世紀中頃のイギリス国教会分離者の集りを母体に R.ブラウンの会衆派原則に共鳴する者がふえ,迫害にあいつつ J.スミスらによってアムステルダムに教会を移す。ロビンソン,ブリュースターの指導するピルグリム教会は分れて北アメリカに移住 (1620) ,ニューイングランドを中心に発展。外国伝道にも熱心で,日本組合基督教会もその結実である。会衆派はまた教育に力を注ぎ,ハーバード,エールなど多くの大学を設立。 20世紀に入り他の教会組織 (福音改革派) と合同,世界教会運動を積極的に行なっている。

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