イギリス、アメリカを中心とするプロテスタント諸教派の一派。組合派ともいう。原始教会に帰ることを理想とし、信仰をもった個人が自発的に形成する団体を教会とみなして、各個教会の独立性、自律性を尊重したため、独立派、分離派ともよばれた。歴史的には、16世紀後半エリザベス朝のブラウンRobert Browne(1550ころ―1633)、バロウHenry Barrow(1550ころ―93)にまでさかのぼり、その流れをくむブラウン派、バロウ派は、イングランド教会体制はもちろんのこと、厳格な教会規律を主張する長老派にも反対した。このため、これらの教派は迫害を逃れてオランダや新大陸に亡命しなければならなかったが、なかでも1620年ニュー・イングランドに移住したピルグリム・ファーザーズは有名である。しかし、ピューリタン革命が起こると、会衆派はふたたびイングランドでも勢力を得て、政治的にも軍隊の力を背景とする「独立派」の母体となって、長老派教会体制の主要な敵対者となった。クロムウェル体制のもとで会衆派は宗教上の完全な自由を獲得したものの、王政復古ののち礼拝統一法(1662)が制定されると、またもや迫害のもとに置かれた。このような経緯もあって、会衆派は新大陸に深く根を降ろし、ニュー・イングランドを中心として有力な教派に発展した。一方イギリス本国では、1689年、名誉革命の結果「寛容法」が定められ、会衆派もその存在を公に認められたが、依然、社会的差別が続いた。そこで1832年、会衆派諸教会は「会衆派ユニオン」Congregational Unionを結成し、社会的差別の撤廃に努めた。アメリカでは1810年「アメリカン・ボード」American Board of Commissioners for Foreign Missionsが結成されて海外伝道を開始し、明治時代初期日本にも関西を中心として伝道を行い、その後「日本組合基督(キリスト)教会」が設立された。(書籍版 1985年)
[小泉 徹]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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