ワルミア(英語表記)Warmia

改訂新版 世界大百科事典 「ワルミア」の意味・わかりやすい解説

ワルミア
Warmia

ポーランド北部,現在のエルブロンク県とオルシュティン県にほぼ相当する歴史的地方名で,第2次大戦前は東プロイセンの一部であった。旧ドイツ名エルムラントErmland。北流するウィナ川とパスエンカ川の流域に位置し,東はマズーリ湖沼地方に隣接する。ポーランドの経済的後進地域の一つで,氷河性の地形のため土壌はやせており,農耕には不利である。8世紀にはスラブ系民族が居住していた。1243年にドイツ騎士修道会の支配下に入り多くのドイツ人がこの地に移住したが,エルムラントは独自の司教区を維持した。1466年にトルニ条約でポーランド王国に編入され,1772年の第1次ポーランド分割で再びプロイセン領となった。1945年にあらためてポーランドに返還された。県都のエルブロンク,オルシュティンのほかにはみるべき大都市はない。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android