ワーシル・ビン・アター(読み)わーしるびんあたー(英語表記)Wāsil bn ‘Aa'

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ワーシル・ビン・アター
わーしるびんあたー
Wil bn ‘Aa'
(699―748)

イスラムの神学者でムゥタジラ派の創始者。初めハサン・バスリーのグループにいたが、罪の問題に関して、ハサン・バスリーと意見を異にして、離脱したのがムゥタジラ(離脱者)派の起源であるといわれる。彼の主要な教義は、(1)永遠なる神的属性の否定、(2)人間の自由意志の肯定、(3)大罪を犯したムスリムは、ムスリムと不信者の中間に位置するという考え、(4)初期イスラムの内乱(アリーとタルハTalha(595ころ―656)・ズバイルZubayr(594ころ―656)のラクダの戦い、アリーとムアーウィヤのスィッフィーンの戦い)では、どちら側かは確定できないが、どちらかが誤っていたとする考え、の四つが伝わっている。[竹下政孝]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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