教義(読み)キョウギ(その他表記)dogma

翻訳|dogma

デジタル大辞泉 「教義」の意味・読み・例文・類語

きょう‐ぎ〔ケウ‐〕【教義】

ある宗教宗派真理と認めている教えの内容体系ドグマ教理
[類語]仏説仏法

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精選版 日本国語大辞典 「教義」の意味・読み・例文・類語

きょう‐ぎケウ‥【教義】

  1. 〘 名詞 〙 おしえの主旨。特に、宗教上の信仰内容が真理として説かれ、認められる、その教えの内容。教理。
    1. [初出の実例]「大聖釈尊は、其けうきをえて、都率天に住し給ふ」(出典:曾我物語(南北朝頃)六)
    2. [その他の文献]〔落葉集(1598)〕〔周書‐宣帝紀〕

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改訂新版 世界大百科事典 「教義」の意味・わかりやすい解説

教義 (きょうぎ)
dogma

一般に宗教的真理を表明した命題を意味する用語。教理ともいい,哲学的・政治的信念や主張を指して使われることもあるが,とくにキリスト教において重要な意義をもつ。元来ギリシア語に由来し,新約聖書では〈勅令〉〈取り決めた事項〉などを意味する語として使用され,古代後期のギリシア哲学では一般に特定の哲学的傾向を持った学派の見解を意味し,たとえば〈ストア派のドグマ〉というように使用された。この後者の意味での〈ドグマ〉がキリスト教会の用語として取り入れられ,4世紀ごろから使用された。教会の〈宣教(ケリュグマ)〉が種々の形態を取るとき,それらに一貫する真理命題が〈教義〉として求められたわけである。したがって教義は,教会のいろいろな宣教がその点では一致しなければならない最小限の事項を意味し,そこに教義の拘束性が主張されることになる。教義が哲学的な学派の見解と異なるのは,それが〈理性〉よりもむしろ〈啓示〉に関係している点である。その内容はしたがって,普遍的な理性的公理や一般的原理ではなく,歴史的な啓示のできごとからくるキリストの人格,神,救いについての命題であり,それらについての信仰告白である。教義は,その根底の教会的実存,その礼拝と信仰の生活から切り離されてはならず,主知主義的には理解されえないものである。

 内容的には,三位一体論とキリスト両性論が中心であり,教会史,教理史の歩みとともにさらにそれに準ずるものとして贖罪論,義認論,サクラメント論などが加えられ,それらがさらに教会論や終末論とあいまって〈教義学dogmatics〉の主題を構成することになる。しかし厳密な意味での〈教義の発展〉をどこまで認めるかということになると,宗派によって立場は異なる。東方正教会は,787年の第2ニカエア公会議の決定を最後として,それ以後の教理命題を教義とは認めない。カトリック教会では発展を認め,〈マリアの無原罪の宿り〉〈教皇の無謬性〉などを19世紀以後に教義化した。福音主義プロテスタント教会では,教義を教会的信仰告白として理解し,霊的拘束性は認めつつもその〈無謬性〉は否定し,つねに新たな教義解釈や教理的表現の生産を承認する。近代において教義は,その拘束性や教会性のゆえに個人の自由や実存の強調と衝突するように見られてきた。しかし教義の形骸化とともに,近代の無制限の個人主義,主観主義の抽象性も避けられるべきであって,教義と真の自由や実存の確立は矛盾しない。教義に対する近代的誤解は,教義にとっても近代精神にとっても不幸であったと言うべきである。教義は忌避されるより,むしろ解釈されるべきであって,聖書を通し,キリストとその救済的現実を指し示すものとして,教会的自由と教会的実存によって解釈されつづけなければならない。教義学は,弁証学,倫理学とともに組織神学の一部をなし,教義内容の不断に新たな解釈と表現を課題としている。
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普及版 字通 「教義」の読み・字形・画数・意味

【教義】きよう(けう)ぎ

おしえの趣旨。梁・任〔劉整を奏弾す〕人の無なる、一に何ぞ此(ここ)に至れる。實に義の容れざる、紳冕(しんべん)の共につるなり。

字通「教」の項目を見る

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百科事典マイペディア 「教義」の意味・わかりやすい解説

教義【きょうぎ】

ギリシア語dogmaの訳で,〈教理〉とも。哲学上の教説に用いられることもあるが,一般に宗教的真理を述べるとされる諸命題。キリスト教においてとりわけ重要で,理性ではなく啓示にかかわるものとされ,それゆえに排他性,独断性も生じる。三位一体論とキリスト両性論がその柱。東方正教会は第2ニカエア公会議(787年)以後の新教義を認めないが,ローマ・カトリック教会はこれを認め,〈マリアの無原罪の宿り〉〈教皇の無謬性〉は19世紀以降の教義。その解釈にあたるのが教義学dogmatics。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「教義」の意味・わかりやすい解説

教義
きょうぎ

「ドグマ」のページをご覧ください。

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