大学事典 の解説
ヴィッテン・ヘアデッケ大学[ドイツ]
ヴィッテン・ヘアデッケだいがく
ドイツ西部,ノルトライン・ヴェストファーレン州の認定を受けた私立の総合大学。1970年代末,大学の発展に停滞を感じ,大学教育の質に不満を抱いていた大学教員たちによって1983年に創設された。その名称は,同州南東部のルール工業地帯に位置するヴィッテン市に創設されたこと,創設に協力した市民病院がヴィッテン市に隣接するヘアデッケ市に置かれていたことに由来する。高等教育機関の大半が州立で,非州立の多くが教会立の神学大学か福祉関係の専門大学であった当時,本大学は非教会立の総合大学として世間の注目を集めた。
創設時は医学部に27名の学籍登録者を抱えるだけであったが,学生からの授業料,経済界からの寄付金,ノルトライン・ヴェストファーレン州からの助成金を主要な財源とし,その後,経済学,歯学,生物学,看護学など専門領域を増やし,学生数は2011年には約1300人にまで拡大した。2008年には不十分なマネジメントと不堅実な経営計画を理由に州が助成金の拠出を拒否したため,一時財政破綻の危機に晒されるが,大学側が提示した再編計画が受け入れられ,期限付きで引き続き州から補助金が拠出されることになった。2010年からは学部再編により保健,経済,文化の3学部で構成されるようになった。学生数は2300人(2016/17年冬学期)。
著者: 髙谷亜由子
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報