日本歴史地名大系 「一乗寺保」の解説 一乗寺保いちじようじほ 愛知県:海部郡一乗寺保旧海西(かいさい)郡に属すが所在地は不詳。国衙領。のち熱田社領。暦仁元年(一二三八)一二月日付の尾張国司庁宣案(大国霊神社文書)によれば、在庁の系譜をひくと推定される尾張俊村の仮名重松(しげまつ)名の一部を構成しており、三七町六反大であった。これより前、俊村の寄進により熱田社領となり所当以下国役を免ぜられていた。在庁官人はじめ有力名主の寄進による神領乱立の傾向に対し、天福年間(一二三三―三四)綸旨が発せられ、多く神領が転倒されたなかにあって、とくに勅免とされ、暦仁元年の国宣によっても再度神領として安堵された。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報