一号機関車(読み)いちごうきかんしゃ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「一号機関車」の意味・わかりやすい解説

一号機関車
いちごうきかんしゃ

日本で最初の鉄道、新橋(後の汐留(しおどめ)駅、1986年廃止)―横浜(現、桜木町駅)間の開業(1872年=明治5)に先だち、イギリスから輸入された5形式10両の機関車群のうちの1両。1871年バルカン・ファンドリー社製の150形蒸気機関車で、1B型(種別)のタンク機関車である。明治末に長崎県の島原鉄道に払い下げられたが、名誉ある1号機関車として保存することになり、昭和の初めごろ国鉄に買い戻され、交通博物館(旧、鉄道博物館)に保存展示された。交通博物館閉館後は、後継施設「鉄道博物館」(2007年10月開館・さいたま市)で保存展示されている。1958年(昭和33)鉄道記念物に指定、1997年(平成9)国の重要文化財に指定された。なお、この一号機関車とともにイギリスから輸入された機関車群のうち、三号機関車(110形蒸気機関車)が現存し、鉄道記念物に指定され青梅鉄道公園(おうめてつどうこうえん)に保存展示されている。

[松澤正二]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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