コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

蒸気機関車 じょうききかんしゃ steam locomotive; SL

6件 の用語解説(蒸気機関車の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

蒸気機関車
じょうききかんしゃ
steam locomotive; SL

蒸気機関原動力として利用する機関車。ボイラに発生した蒸気をシリンダに送り,その圧力でピストンに往復運動を起こし,ピストンの一方をクランクに結合し,レール上の車輪を回転させ,車輪とレールの摩擦力によって,牽引力を発揮させる。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉の解説

じょうき‐きかんしゃ〔‐キクワンシヤ〕【蒸気機関車】

蒸気機関を動力として走行する機関車動輪の数によってB型(二軸)、C型(三軸・旅客列車用)、D型(四軸・貨物列車用)などに分けられる。SL。

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

百科事典マイペディアの解説

蒸気機関車【じょうききかんしゃ】

蒸気機関を動かして走る機関車。steam locomotiveの頭文字からSLと略称する。使用蒸気の性質により飽和蒸気機関車と過熱蒸気機関車に,炭水車の有無によりテンダー機関車タンク機関車に分けられる。
→関連項目汽車炭水車

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. ご提供する『百科事典マイペディア』は2010年5月に編集・制作したものです

世界大百科事典 第2版の解説

じょうききかんしゃ【蒸気機関車】

ボイラーをもち,蒸気機関を原動機とした機関車。日本では英語のsteam locomotiveの頭文字をとってSLと略称されることも多い。
[発達と衰退の歴史]
 蒸気機関で車輪を回して走る蒸気車が出現したのは,J.ワットが蒸気機関を発明してまもなくの1769年で,フランスのN.J.キュニョーによって試みられ,ふつうの道路を時速3.6kmの速さで15分間走行したといわれている。蒸気機関車を発明したのはイギリスのR.トレビシックで,彼はそのころ広く敷設されていた馬車鉄道に着目し,そのレール上を走る蒸気機関車を1804年に製作した。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

大辞林 第三版の解説

じょうききかんしゃ【蒸気機関車】

蒸気機関を原動力とする機関車。 SL 。

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

蒸気機関車
じょうききかんしゃ
steam locomotive

蒸気機関を原動機とする機関車。略してSLともいう。[松澤正二]

歴史

蒸気機関を鉄道車両に応用して蒸気機関車をつくったのは、イギリスのトレビシックで、1804年初めてレールの上を走らせた。その後、1825年にスティーブンソンのロコモーション号は、ストックトンとダーリントン間で世界最初の鉄道営業運転に使用された。さらに、1829年、スティーブンソンの息子のロバート・スティーブンソンのつくったロケット号が、リバプールとマンチェスター間で使用する機関車の競作で優勝し、翌年からの営業運転に使用されてから、蒸気機関車の優れた性能と、その実用化の可能性が一般に認識されるようになった。
 このロケット号の構造は、スティーブンソン式弁装置を有し、煙管式ボイラー、燃焼をよくするための排気機構、ピストンの力を直接主連棒により動輪に伝える方式など、機関車の機構の基本となりうるものをもっていた。その後の蒸気機関車は、これらが踏襲され幾多の改良が加えられて発達し、世界の鉄道の発展の原動力となった。
 日本での実用の蒸気機関車は、イギリスに遅れること47年の1872年(明治5)新橋―横浜間の開業に先だち、前年にイギリスから輸入された10両が最初である。1880年に北海道の幌内鉄道(ぽろないてつどう)がアメリカから、89年に九州鉄道がドイツから、それぞれ機関車を鉄道技術とともに輸入し、その後も官設鉄道をはじめ各私設鉄道でも引き続いて輸入した。国産最初の機関車は、1893年に官設鉄道の神戸工場でイギリス人技師の指導により製作された機関車(860形)が第1号である。続いて1895年北海道炭礦(たんこう)鉄道で、日本人だけの手で製作された機関車「大勝号」(7150形)が第2号である。
 その後民間の機関車製造会社も設立され、国産も盛んに行われた。1906年(明治39)鉄道国有化後に形式が標準化され、機関車製造技術も向上し、国産奨励のためから、大正以降は特別な機関車を除いては、すべて国産されることになった。本格的な国産機関車は1913年(大正2)の貨物用9600形であり、翌年の旅客用8620形である。1919年には当時の狭軌鉄道では最大の動輪径1750ミリメートルをもつ幹線旅客用C51形が、23年には強力な幹線貨物用D50形が製造され、世界的水準に達した。
 昭和に入り1928年(昭和3)世界的な趨勢(すうせい)により、3シリンダーのC53形急行旅客用機関車が幹線用に製造された。それまでの機関車の設計と使用実績から研究と改善の結果、36年以降、標準近代形機関車として、幹線貨物用D51形、同旅客用C57形、幹線旅客用C59形、同貨物用D52形、ローカル線万能機のC58形などが続々と製造され、蒸気機関車の最盛期と同時に第二次世界大戦を迎えた。戦後は急増する旅客輸送に対応するため、幹線旅客用では、日本最大のC62形が、勾配(こうばい)区間用としてE10形が製造されたが、これを最後に動力の近代化のため新規製造は打ち切られた。
 鉄道の発展に寄与してきた蒸気機関車は、構造が比較的簡単なうえじょうぶで、製作費も安く、かなり無理な運転が可能などの特長があるが、エネルギー効率が悪く、そのうえ煙の排出により乗務員・乗客に不快感を与え、保守、運用にも難点が多く、ついに効率のよい電気機関車やディーゼル機関車に職場を譲った。現在、鉄道先進国においては蒸気機関車はほとんど使用されていない。[松澤正二]

種類


形態
テンダー機関車とタンク機関車がある。テンダー機関車は、石炭と水を積載する炭水車(テンダー)を連結しているため、長距離運転に有利であるが、前進方向が運転正位のため、折り返し運転には転向装置(ターンテーブル)が必要である。タンク機関車は、炭水車を有せず、機関車の一部に石炭と水を積載するため、炭水の量が少なく長距離の運転には向かないが、前後進が容易な利点がある。なお、炭水の量によって機関車の重量が変化するので、牽引(けんいん)力にも影響がある。[松澤正二]
使用目的
旅客用、貨物用、入換え用がある。旅客用は高速運転の必要から、動輪数が少なく動輪直径が大きい。貨物用は牽引力を大きくする必要から、動輪数が多く動輪直径が小さい。入換え用は小型のタンク機関車が用いられる。なお、勾配区間では旅客列車用にも貨物用の機関車を充当し、また、重量列車の牽引には2~3両の機関車を連結した重連運転を行うこともある。[松澤正二]
使用蒸気の性質
飽和式と過熱式とがある。飽和式は、ボイラーで発生した蒸気をそのまま使用するもの。過熱式は、飽和蒸気を過熱管でさらに高温処理をして使用する方式である。明治末からはすべて効率のよい過熱式が使われている。[松澤正二]
蒸気の使い方
複式と単式がある。複式は、一度シリンダー内で使用した蒸気を、もう一度他のシリンダーで使用する方式である。単式は、1回の使用で排出する方式で、新型機関車は大部分が過熱式の単式である。[松澤正二]
シリンダーの数
(1)左右に1個(1対(つい))の2シリンダー式、(2)中央にもう1個を有する3シリンダー式、(3)2対のシリンダーをもつ4シリンダー式(マレー式を除く)がある。普通は2シリンダー式である。[松澤正二]
特殊機関車
(1)シリンダーと走り装置を2組もったマレー式機関車、(2)歯形レールを使って走るアプト式機関車、(3)前後の2台の炭水車に走り装置をもち、それらをボイラーの台枠で橋渡ししたガラット式機関車、(4)シリンダーを縦位置に取り付けて、クランク軸の傘形歯車で動輪を回すシェイ式機関車、(5)据え付けのボイラーから蒸気だけをタンクに充填(じゅうてん)して走る無火(むか)機関車などがある。[松澤正二]

構造

大別すると、台枠、ボイラー、走り装置、ブレーキ装置、補助装置、運転室、炭水車などに分けられる。[松澤正二]
台枠
機関車の骨格に相当するもので、ボイラーと運転室が据え付けられ、シリンダーとこれに関連する走り装置、前後輪の台車、連結器などが取り付けられている。[松澤正二]
ボイラー
蒸気発生装置で、横長の円筒形状のもの。運転室側には火室があり、そこから燃焼ガスを導く煙管(えんかん)と、その周囲の水の入る缶胴と、ガスや煙を排出する煙突のある煙室部から成り立っている。ボイラーの付属機器には給水温め器、給水ポンプ、注水器などがある。[松澤正二]
走り装置
シリンダー内のピストンを円滑に往復させる弁装置と、ピストンの往復運動を動輪へ回転運動に変えて伝える主連棒や、動輪などから成り立っている。[松澤正二]
ブレーキ装置
運転の安全を確保するため、速度の調整と停止に必要な機構。ブレーキ装置の制動力を加減させる部分と、これを伝える部分とから成り立っている。付属機器には空気圧縮機がある。[松澤正二]
補助装置
砂まき装置、潤滑装置、点灯装置、消煙装置、水まき装置、自動給炭装置、自動列車停止装置、暖房装置などがある。いずれも機関車の安全円滑運転に必要なものである。[松澤正二]
運転室
機関車の運転操作をするところである。全体を覆う屋根と囲みからなり、火室に面して左側が機関士席、右側が機関助士席である。機関士席には加減弁ハンドル、ブレーキ弁ハンドル、逆転機ハンドルなど運転操作に必要な機器類があり、中央上部には各種圧力計、蒸気分配箱、水面計などがある。助士席には注水器がある。また、中央下部には火室のたき口とその操作機器がある。これらは、機関車が正常な運転を続けるに必要な各部の状態の看視機能と補助機能の機器類である。[松澤正二]
炭水車
運転に必要な石炭と水を積載する車両。一般には機関車の付属物として、機関車に含まれるものとされている。[松澤正二]

走行作用

たき口から火室内に投入された石炭(重油燃焼はバーナーによる)は、燃焼室(火室)で燃焼する。そこで生じた燃焼ガスと煙は大煙管と小煙管を通り、煙管周囲の水に熱を与え蒸気を発生させて、煙室から煙突によって排出される。
 発生した飽和蒸気は蒸気ドームにたまり、機関士が発車のため加減弁ハンドルを引くと、蒸気は加減弁から乾燥管を通って過熱管寄(かねつかんよ)せに入り、過熱管より大煙管内を2往復して過熱蒸気(300℃前後)となり、ふたたび別の過熱管寄せから蒸気管を通ってシリンダー内に入る。
 シリンダーに入った蒸気は、弁装置によりピストンの前後に交互に入り、ピストンを往復させて、吐出し管から煙突を通って外へ排出させる。このときに煙室内の燃焼ガスや煙を誘い出して、火室の火床上の通風をよくする。
 ピストンとピストン棒の往復運動は、滑り棒を滑るクロスヘッドとこれに結ばれた主連棒によって、主動輪のクランクピンに作用して回転運動となり、動輪が回転する。同時に連結棒に結ばれた他の動輪も回転する。[松澤正二]
『久保田博著『最新鉄道車両工学』(1982・交友社) ▽日本国有鉄道編『鉄道辞典』(1958・交通協力会)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典内の蒸気機関車の言及

【機関車】より

…原動機を搭載して自走できる鉄道車両で,自らは旅客や貨物は積まず,客車や貨車など自分では走行できない車両を連結してけん引するものをいう。搭載する原動機の種類によって電動機を用いる電気機関車,ディーゼルエンジンを用いるディーゼル機関車,蒸気機関を用いる蒸気機関車,ガスタービンを用いるガスタービン機関車などに分けられるが,これをさらに使用目的から本線用,支線用,こう配用,補機用,入換え用などに,またけん引する列車の種類によって旅客列車用,貨物列車用,客貨両用などに分類することもある。このほか特殊な原動機を用いる機関車としては,蓄電池で電動機を駆動する蓄電池機関車,圧縮空気で駆動される圧縮空気機関を利用した圧縮空気機関車などもあり,また駆動機構の特殊なものにはアプト式鉄道で用いられるアプト式機関車などがある。…

【鉄道】より

…当初は,機関車は危険視され,旅客列車は馬が引くことにされていた。しかしリバプール・マンチェスター鉄道では,開業にあたって蒸気機関車の採用を決定,29年数両の機関車による懸賞競走をリバプールの近くのレーンヒルで実施した。この競走でスティーブンソンのロケット号が優勝し,30年彼の機関車によってこの鉄道は開業した。…

※「蒸気機関車」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

蒸気機関車の関連キーワード往復機関煙管ボイラー水管ボイラー丸ボイラー湯釜ガスタービン機関車蒸気自動車バブコック放射ボイラー蒸気ボイラー

今日のキーワード

トランスアジア航空

台湾・台北市に本拠を置く航空会社。中国語名は復興航空。1951年、台湾初の民間航空会社として設立。83年に台湾の国産実業グループに経営移管され、組織改編を実施した。92年に国際チャーター便の運航を始め...

続きを読む

コトバンク for iPhone

蒸気機関車の関連情報