一次組織(読み)いちじそしき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「一次組織」の意味・わかりやすい解説

一次組織
いちじそしき

植物の根や茎の先端にある頂端分裂組織(成長点)でつくられる細胞から直接形成される組織。新しくつくられた細胞は、やがて固有の形や構造が完成し、特定の機能を営む細胞に分化し成熟する。この過程を一次成長といい、その結果として根、茎、葉、花などの一次植物体ができる。一次組織とはこれらの一次植物体を構成する表皮、柔組織、維管束などの組織をいい、形成層やコルク形成層からできる二次組織以外の組織である。すべてのシダ植物、双子葉植物の草本(そうほん)の多くのもの、および大部分の単子葉植物では植物体はほとんど一次組織だけである。

 木本(もくほん)の双子葉植物や裸子植物では、根や茎の先端近くの若い部分は一次組織とみられる。しかし先端から離れた部分、あるいは1年以上経過した部分では、形成層やコルク形成層の働きにより、二次木部や二次篩部(しぶ)などの二次組織が形成され、一次組織は髄や一次木部などごく一部に残っている。

[相馬研吾]

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