一酸化炭素用自己救命器(読み)いっさんかたんそようじこきゅうめいき(その他表記)carbon monoxide self-rescuer

改訂新版 世界大百科事典 「一酸化炭素用自己救命器」の意味・わかりやすい解説

一酸化炭素用自己救命器 (いっさんかたんそようじこきゅうめいき)
carbon monoxide self-rescuer

坑内で作業中に火災や爆発などの突発的な災害が起きたときに発生する一酸化炭素COに作業者が侵されずに短時間のうちに危険区域から安全地帯に脱出するのを目的として製作された防毒マスクをいう。吸収缶の中に薬剤を充てんしCOを二酸化炭素CO2に酸化させ,煙はろ(濾)煙層でろ過して着装者をこれらの害から守る。薬剤は活性二酸化マンガンMnO2約60%と酸化銅(II)CuO約40%の酸化触媒である。したがって空気中のCOをCO2に変えるだけで酸素は発生しないので,酸素が著しく欠乏した状態(約16%以下)では使用できない。JISでは,CO濃度1%で耐用時間30分以上と定められ,石炭鉱山保安規則では,入坑する鉱山労働者には一酸化炭素用自己救命器,酸素発生式自己救命器または簡易救命器を携帯させなければならない,と規定されている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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