三塩化三酸化三硫化三窒素(読み)サンエンカサンサンカサンリュウカサンチッソ

化学辞典 第2版 の解説

三塩化三酸化三硫化三窒素
サンエンカサンサンカサンリュウカサンチッソ
trinitrogen trichloride trioxide trisulfide

N3S3O3Cl3(292.57).スルファヌル酸塩化物三量体ともいう.アミド硫酸HSO3NH2とPCl5との反応で得られたClSO2NPCl3を熱分解すると得られる.α形(融点144~145 ℃)とβ形(融点45~47 ℃)の2種類がある.α形は無色の斜方晶系結晶で,図のような六員環構造である(環は平面ではない).S-N約1.564 Å,S-O約1.41 Å,S-Cl約2.00 Å.∠S-N-S約112°,∠N-S-N約122°.希酸で加水分解してNH(SO2NH2)2と硫酸になる.CCl4中でKFと反応させるとN3S3O3F3が得られる.フッ化物も同様の非平面環をもち,F,Oの位置が異なった,シス形トランス形の両形がある.[CAS 74465-33-1:1α,3α,5α形]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android