酸1分子中に塩基と中和できる3個の水素イオンを生じる酸をいう.リン酸H3PO4,ホウ酸H3BO3が代表的なもの.3番目の水素は電離定数が低く,したがってリン酸ナトリウムNa3PO4などの正塩は,加水分解してかなり強い塩基性を示す.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
… 酸がH+を放出するものであるといっても,その放出のしかたには各種のものがあり,一般に酸1分子当り放出するH+の数をその酸の塩基度といっている。 一塩基酸 HCl,HBr,HNO3,HOCN, HClO,HClO4 二塩基酸 H2CO3,H2SO4,H2S2O3,H2 CrO4,H2PtCl6 三塩基酸 H3PO4,H3[Fe(CN)6]塩基については,H+を減少させるものであるから,1分子当りで減少させる数をその塩基の酸度という。 一酸塩基 NH3,KOH,NaOH 二酸塩基 Ca(OH)2,Ba(OH)2 三酸塩基 La(OH)3,[Co(NH3)6](OH)3なお,塩基度2以上の酸を多塩基酸,酸度2以上の塩基を多酸塩基という。…
※「三塩基酸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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