燐酸(読み)リンサン

デジタル大辞泉 「燐酸」の意味・読み・例文・類語

りん‐さん【×燐酸】

五酸化燐を水で処理して得られる一連の酸の総称。一般にはオルト(正)燐酸をさす。無色粒状結晶で、水によく溶け、ふつうは水溶液をいう。強い三塩基酸加熱によりピロ燐酸、さらにメタ燐酸になる。生体に広く分布し、骨に多い。肥料洗剤の製造や清涼飲料・歯科用セメントなど広く利用。化学式H3PO4
[類語]硫酸亜硫酸塩酸硝酸硼酸酒石酸酢酸炭酸枸櫞くえん乳酸王水

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精選版 日本国語大辞典 「燐酸」の意味・読み・例文・類語

りん‐さん【燐酸】

  1. 〘 名詞 〙 ( [オランダ語] phosphorzuur の訳語 )
  2. 五酸化燐が水と結合してできる酸の総称。両者割合によって、オルト燐酸・メタ燐酸・ピロ燐酸・三燐酸がある。化学式は H3PO4 →「たんさん(炭酸)」の語誌。〔遠西医方名物考補遺(1834)〕
  3. オルト燐酸の通称。化学式は H3PO4 無色の結晶、または無色シロップ状の液体。潮解性があり、熱濃溶液はガラス、陶器を侵す。肥料、医薬品などに広く用いられる。
    1. [初出の実例]「苗代の肥料は土質を考慮し窒素質肥料を偏施せず、適宜燐酸及び加里肥料を配合すること」(出典:稲熱病(1939)〈岩倉政治〉六)

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