三層電解法(読み)さんそうでんかいほう(その他表記)trinal electrolytic process

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「三層電解法」の意味・わかりやすい解説

三層電解法
さんそうでんかいほう
trinal electrolytic process

ホール=エルー法よりも高純度アルミニウムを製造する溶融塩電解法の一種で,W.フープスの発明黒鉛の炉床に銅 40%,アルミニウム 60%程度の合金を溶融状態で貯留して全体を陽極とし,そのうえにバリウムフッ化物 (比重 4.9) を加えて比重 2.7以上に調整した氷晶石に飽和量のアルミナを加えたものを満たして電解浴とする。その上に電析した溶融高純度アルミニウムと黒鉛陰極を置く。炉温を 1000℃前後に保ち5~7Vの電流を通すと陽極アルミニウムが浴を通して選択的に高純度アルミニウムとなって浮上し陰極に析出する。得られる純度は 99.99%以上。浴が3層となるのでその名がある。

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世界大百科事典(旧版)内の三層電解法の言及

【アルミニウム】より

…ホール=エルー法の欠点は,電解炉という二次元反応装置を使うために生産性が悪く,生産量当りの工場面積が広くなる点くらいのものである。超高純度(99.95%以上)のアルミニウムを得ることは通常の電解法では困難であり,ふつう三層電解法という精製方法で製造される。下層は原料となるアルミニウムを銅との合金にして溶解し,これを陽極として利用する。…

※「三層電解法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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