三恵寺(読み)さんえいじ

日本歴史地名大系 「三恵寺」の解説

三恵寺
さんえいじ

[現在地名]豊浦町大字川棚 江良

勝陣しようじん山の西北にある小山の中腹に位置し、真言宗御室派。飛来山と号し、本尊千手観音。

寺に伝わる長門三箇寺記によれば、延暦八年(七八九)東大寺二世実忠が竹生たけお(現下関市)関院せきいん(現黒井の石印寺)とともに創建したという。実忠の事跡については「東大寺二月堂開基実忠和尚注顕文」(東大寺文書)「奉仕行事注顕寺家内外雑事合廿九条」の一九条に「奉仕造寺司知事政治合十箇年」とみえ、この時期に長門国を訪れたとも考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報