日本大百科全書(ニッポニカ) 「川棚」の意味・わかりやすい解説
川棚(町)
かわたな
長崎県中部、東彼杵郡(ひがしそのぎぐん)にある町。大村湾(おおむらわん)東岸に位置する。1934年(昭和9)町制施行。川棚川の河口に発達した町で、JR大村線、国道205号が通じる。第二次世界大戦中に設けられた海軍工廠(こうしょう)の跡地には工業団地が設けられ、耐火れんが、コンクリート、タイルなどの工場が進出した。水の豊富な町で、岩立(いわたて)地区の取水堰(しゅすいぜき)から、北方の佐世保(させぼ)市へ送水している。背後の丘陵地ではミカン栽培が盛んで、海岸の小串(おぐし)では、真珠養殖が行われ、ナマコの特産がある。大村湾に突出する大崎半島の大崎自然公園には、くじゃく園、キャンプ場、宿泊施設などがある。なお下組郷(しもぐみごう)には元和(げんな)年間(1615~1624)のキリシタン墓碑(県指定史跡)がある。大村湾県立公園の指定域。面積37.25平方キロメートル、人口1万3377(2020)。
[石井泰義]
『金滝大八郎著『川棚の郷土夜話』正続(1958、1959・川棚町)』