三浦源蔵(読み)みうら・げんぞう

朝日日本歴史人物事典 「三浦源蔵」の解説

三浦源蔵

没年天保6.11.2(1835.12.21)
生年:生年不詳
江戸後期の塩業者。周防都濃郡戸田村(徳山市)の生まれ。寛政(1789~1801)のころから周防三田尻(防府市)で製塩従事。田中藤六の休浜・替持法に心服し,その普及徹底に努めたが,文化(1804~18)のころに家産が傾き,三田尻塩田会所勤務となる。大年寄から重用され,諸国塩浜集会にもたびたび三田尻浜の代表のひとりとして参加している。源蔵は居常筆記を楽しみ,見聞するところ大小軽重にかかわらず筆にとどめ,塩田会所の活記録と称された。著作中,『塩製秘録』全20巻(1816)が最も有名で,当時の塩業者の指針となったばかりか,今日,近世塩業史研究上,最も貴重な文献のひとつである。<著作>『塩製秘録』(『日本庶民生活史料集成』10巻)

(渡辺則文)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「三浦源蔵」の解説

三浦源蔵 みうら-げんぞう

?-1835 江戸時代後期の製塩家。
周防(すおう)(山口県)都濃郡の人。三田尻で製塩に従事。のち三田尻塩田会所につとめ,文化のころ見聞記「塩製秘録」をのこした。塩業史の史料として貴重。天保(てんぽう)6年11月2日死去。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android