ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「山口県」の解説
山口〔県〕
やまぐち
人口 140万4729(2015)。
年降水量 1684.3mm (下関市) 。
年平均気温 16.7℃ (下関市) 。
県庁所在地 山口市。
県木 アカマツ。
県花 ナツミカン。
県鳥 ナベヅル。
本州の最西端にある県。中国山地の西部を占め,高原状の山地が広く,最高峰は寂地山 (1337m) 。河川の大部分は短小で,大きな平野はない。椹野 (ふしの) 川,阿武川の上流を結ぶ線以北は,石見高原の延長で,その中央にカルスト地形で知られる秋吉台がある。瀬戸内海,日本海の海岸線は複雑で屈曲に富み,周辺には多くの島がある。水深の大きい天然の良港が多い。気候は南部は瀬戸内気候,北部は日本海岸気候。早くから大陸文化の影響を受け,先史時代の遺跡が多い。大化改新 (645) により周防,長門の2国が成立。中世には大内氏の支配下となり,江戸時代には毛利氏により統治された。明治4 (1871) 年廃藩置県により山口県となり現在にいたる。おもな産業は瀬戸内海側の石油化学と,鉄鋼,造船を中心とする重化学工業で,近年著しく発展。水産業は遠洋漁業の基地下関港を中心に行われ,沿岸漁業の不振もあって,近年養殖漁業への転換も進む。耕地が少く,米作もあるが果樹 (ミカン) 栽培が盛んである。林業はタケ・アカマツ材を多く産し,タケノコの生産も全国上位。大理石,石灰岩なども産する。瀬戸内海国立公園,秋吉台,北長門海岸の2国定公園などのほか長門峡,西長門海岸など5つの県立自然公園があり,萩,下関には明治維新に関する史跡も多い。関門海峡の上に中国縦貫自動車道につながる関門橋がかかり,海底には鉄道・国道トンネルがある。山陽新幹線が通り,新岩国,徳山,小郡,新下関の4駅がある。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報