三渡の渡(読み)みわたりのわたし

日本歴史地名大系 「三渡の渡」の解説

三渡の渡
みわたりのわたし

参宮古道における三渡川の渡渉点。鴨長明の作とされる「伊勢記」に

<資料は省略されています>

とみえ、潮合に応じて渡河地が三ヵ所に分れ、それがゆえに三渡なる地名が生じたとする。康永元年(一三四二)の「伊勢太神宮参詣記」(坂士仏著)に「松風いと寒き三渡の浜にもつきぬ」とあり、「耕雲紀行」(花山院長親著)応永二五年(一四一八)一〇月二一日条にも「みわたりにて、夜ほのほのとあけぬ」とあり、「伊勢紀行」(尭孝著)永享五年(一四三三)三月一九日条にも「見わたりの程、朝和のうら気色、いと見所多かり」とあるように、参詣者の旅情にふさわしい名所であったようである。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android