中道(読み)ちゅうどう

  • ちゅうどう ‥ダウ
  • ちゅうどう〔ダウ〕
  • なかみち

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

仏教用語。執着離れ,正しい判断をし,行動すること。釈尊以来,仏教の伝統的スローガン。 (1) と楽いずれにも偏しない実践法である八正道 (はっしょうどう) のこと。 (2) 断滅論と常見論を離れた非断非常の理法のこと。 (3) 中観派でいう空の理法のこと。この理法は縁起 (えんぎ) であり,相対的に対立している諸概念のうちのいずれか一方に執着しないことを意味する。 (4) 法相宗では有と空に偏しないこと。 (5) 天台宗では諸法実相のこと。 (6) 華厳宗では法界 (ほっかい) のことをいう。
山梨県中部,甲府市南部の旧町域。甲府盆地の南部に位置する。 1955年右左口村と柏村が合体して町制。 2006年甲府市に編入中世には甲府盆地と駿河を結ぶ中道往還 (右左口路) が御坂山地にかかる交通の要衝であった。町名は中道往還にちなんでつけられた。北部は笛吹川に接した水田地帯。南部は御坂山地北麓の曾根丘陵でクワ畑やスモモなどの果樹園が広がり,トウモロコシの栽培も行なわれる。丘陵地には国指定史跡の銚子塚,丸山塚のほか,二十数ヵ所に及ぶ古墳旧石器から縄文,弥生時代にわたる遺跡が分布し,一帯は県立公園として整備されている。

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デジタル大辞泉の解説

一方にかたよらない穏当な考え方・やり方。中正な道。「中道を歩む」「中道を旨とする」
物事の進行のなかほど。達成する途中。「志むなしく中道で倒れる」
富士山中腹をめぐる道。また、その道をめぐること。「中道めぐり」
仏語。二つの対立するものを離れていること。不偏で中正の道。原始仏教では苦行と快楽の両極端を退けた考え方。竜樹の哲学ではすべてのものは空(くう)と観じること。天台宗では空・仮(け)の二辺に即して立てる実相の理である中諦(ちゅうたい)。
まんなかの道。土地の中央、山の中腹などを通る道。「中道を通って下山する」
二つのものの間の道。
「思はずに井手の―隔つともいはでぞ恋ふる山吹の花」〈・真木柱〉

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世界大百科事典 第2版の解説

極端な見解や実践を離れる仏教哲学の基本的立場。サンスクリットでマドヤマー・プラティパドmadhyamā pratipadという。釈迦は最初の説法において,欲楽に耽ることと苦行に努めることを否定し,八正道によって修行すべしと説いた。これを〈苦楽中道〉という。このように中道は,二辺を離れることとして理解されるが,苦楽だけではなく,有無,断常,一異等の対立概念も二辺すなわち極端な見解とされ,それによって中道も多種となる。
もともとは道の中央あるいは中庸公正な道の意であるが,政治用語としては,一般的に左右の政治勢力の中間に位置する政治的立場を指す。このような立場を標榜する政党が〈中道政党〉であり,この種の政党の典型としてあげられるのが,西ドイツのキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)とドイツ社会民主党(SPD)の中間に立ち,1949‐66年にはCDU/CSUとの,69年以降はSPDとの〈小連立〉に参加してきた自由民主党(FDP)や,社会主義なしの社会改革を主張し,政治的スペクトル上で保守党と労働党の中間点を占めるイギリス自由党,さらに労働党よりは穏健で保守党ほど保守的でない立場を唱えて労働党からの離脱者を中心に81年3月に結成されたイギリス社会民主党などである。

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大辞林 第三版の解説

一方に偏らず、穏やかなこと。中正の道。 -を歩む
目的を達しないうち。中途。半途。途中。なかば。 其業-にして敗ぶれたり/日本開化小史 卯吉
富士参詣の登山者が、富士山の中腹をめぐること。 -めぐり
仏教の基本的教義の一。両極端に偏らないこと。対立する見解や態度を克服した立場。対立の内容については、快楽主義と苦行主義、自己を永遠とみる常見と死後はないとする断見、有と空、空と仮など、教派によって諸説がある。
真ん中の道。 街の-なる並木の枝/うたかたの記 鷗外
二つの土地の間に通じる道。 御-のほどみだり足こそ痛からめ/源氏 椎本
ある土地の中を通る道。 いそのかみ布留の-なかなかに/古今 恋四

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 (古くは「ちゅうとう」とも)
① 道路のまんなか。みちの中央。また、中央にある道。
※菅家文草(900頃)三・晩春遊松山館「転移危石開中道、分種小松属後人」 〔礼記‐曲礼上〕
② 物事を達成する途中。中途。なかば。中路。
※中華若木詩抄(1520頃)上「中道にして、学をすつることあり」 〔論語‐雍也〕
③ 富士山の登山者が、その中腹をめぐること。また、その道。おちゅうどう。
※洒落本・大抵御覧(1779)「少時(わかきとき)より富士浅間を信仰し奉りて〈略〉山の中腹をめぐるを中道(チウトウ)といふ」
④ 極端に走らない、中正の道。一方に片寄らない穏当な行き方。
※毎月抄(1219)「誠に哥の中道は、唯自ら知るべきにて侍り」 〔易経‐蠱卦〕
⑤ 仏語。二辺のいずれにも偏しない、中正の道で、絶対真実の道理をさす。ただし、この意味するところは諸宗により異なる。→八不中道
※法華義疏(7C前)二「閑謂中道。林譬万徳。言仏智優遊中道之理。安処万徳之林也
〘名〙
① まんなかの道。土地の中央に通じている道。
※古今(905‐914)恋四・六七九「いその神ふるのなかみちなかなかに見ずはこひしと思はましやは〈紀貫之〉」
② 二人の間の通い路。
※源氏(1001‐14頃)総角「はるかなる御なかみちを急ぎおはしましたりけるも、うれしきわざなるぞ、かつはあやしき」
③ 道のなかほど。また、物事の途中。中途。
※狂歌・銀葉夷歌集(1679)五「一言の主は何とか岩橋の中路に立役のうばそく」
④ 富士登山者が、その中腹を横にめぐること。

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世界大百科事典内の中道の言及

【初期仏教】より

… 釈迦の時代のインドは,鉄器の利用により農産物が豊富になり富裕な商工業者が現れ,社会は爛熟し,旧来のベーダ,ウパニシャッドに基づくバラモン教に疑問をもつ自由思想家が多く輩出し,釈迦もその中の一人であった。その教義は,中道四諦(したい),八正道,縁起,無我の諸説にまとめうる。中道とは当時の伝統的苦行主義と享楽的自由主義のいずれにも偏らない生き方をいう。…

※「中道」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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