三界万霊(読み)さんがいばんれい

精選版 日本国語大辞典 「三界万霊」の意味・読み・例文・類語

さんがい‐ばんれい【三界万霊】

〘名〙 仏語三界におけるすべての霊あるものの意。修めた功徳を回向する時などにいう。
正法眼蔵(1231‐53)洗面師匠を拝し、三宝を拝し、三界万霊十方真宰を拝す」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の三界万霊の言及

【施餓鬼】より

…中国では,盆に来る霊はまさに餓鬼であった。家の祖霊は各戸でまつり,家とは特定の関係にない無縁の餓鬼すなわち三界万霊は,新亡の精霊とともに村の寺院で共同祭祀として施餓鬼会を実施したのが本来であったと思われる。現在のように,家の祖先をも盆の施餓鬼会で供養するのは後世の形で,おそらく中世末期以降のことであろう。…

【無縁仏】より

…供養されることがないのでつねに腹をすかせ,あるいは安らかな死が迎えられず,怨恨をもって迷っているため,たたりやすく,またこの世に害を与えるので,無縁仏には個人または集団でことあるごとにまつる必要があるとされた。中世の霊魂祭祀では,個々の無縁霊がもれないように,総括して法界,三界万霊,無縁一切精霊などと表現していた。民俗用語としては,現今,南九州・南島ではフケジョロ(外精霊),ウケジョロ(浮精霊),ホカドン(外殿),トモドン(供殿)など,紀ノ川沿いではお客ボトケ,兵庫県宍粟郡ではショウロサン(精霊様),岐阜県加茂郡では一切精霊様,壱岐ではサンゲバンゲ(三界万霊)などとよばれている。…

※「三界万霊」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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