…《日本霊異記》中巻4にみえる説話によってその存在が知られる。すなわち,三野(美濃)国片県(かたかた)郡の小川市に三野狐(みののきつね)という大力の女が住み,往還の商人を迫害し物資を強奪していた。一方,尾張国愛智郡片輪(かたわ)里(現,名古屋市中区古渡付近)にすむ道場法師の孫という強力の女はこれを聞き,蛤50斛,熊葛(くまつづら)の練韃(ねりむち)20段を船に積んで小川市にのりつけ,三野狐を打ちこらしめて退散させ,市の人を安心させたという。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」