岐阜県(読み)ぎふけん

精選版 日本国語大辞典 「岐阜県」の意味・読み・例文・類語

ぎふ‐けん【岐阜県】

中部地方西部の県。飛騨、美濃の二国にあたる。明治四年(一八七一)の廃藩置県により、美濃国に岐阜県、飛騨国に高山県が成立。同九年いったん筑摩県に合併された高山県が岐阜県に編入されて、現在の県域が定まる。県庁所在地は岐阜市。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「岐阜県」の意味・読み・例文・類語

ぎふ‐けん【岐阜県】

岐阜

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「岐阜県」の解説

岐阜県

自然環境

岐阜県は日本の中央部に位置し、飛騨と美濃の両地方からなる面積約一万五九六平方キロの内陸県。面積の四分の三が山地からなるものの、「飛山濃水」でいいあらわされているように美濃は水の国の感が強く、標高三〇〇〇メートルの日本の屋根、日本アルプス(飛騨山脈)から海抜零メートルの低湿な三角洲、海津かいづ郡海津町に至るまで変化に富んだ自然環境を有している。これらの地形環境を反映して南の愛知県境の一部を除いて、大半は飛騨・白山・美濃越前・鈴鹿などの山地や、美濃・三河などの高原によって、北は富山、東は長野、西は石川・福井・滋賀・三重の各県と境する。

〔地形〕

地質はきわめて複雑な構造および分布を示し、日本列島で最も古い岩石と考えられている飛騨変成岩類をはじめ、多種多様の岩石から成立っている。飛騨帯・飛騨外縁構造帯・美濃帯など、西南日本内帯の岩石が北から南へ帯状に配列する地質構造を示し、これらの岩石を基盤にした新しい火成岩・堆積岩から成立つ地域も多い。飛騨山地(飛騨山脈・飛騨高原を含む)は、飛騨変成岩類や花崗岩類などからなり、美濃越前山地では砂岩・粘板岩・チャートなどの中・古生界が広く分布し、このなかに主として二畳紀の石灰岩がレンズ状に挟まれている。飛騨西部から東濃地方に至る広範囲の地域には、濃飛流紋岩が花崗岩を伴って分布している。濃尾平野とその周辺では第四紀の堆積物からなっている。中部地方はアジアプレートと太平洋プレートとの会合部にあたるため、東西方向の最大圧縮応力場の影響をうけて山地の配列や、その方位に顕著な特徴をもっている。すなわち、フォッサマグナを東縁にして日本アルプスから近畿・中国地方東部へかけての地域は、全体的に東高西低の傾動地塊的な地形特徴を示しながらも、その境が断層によって切れている褶曲運動的な地形配列を示している。したがって東に日本アルプス、西に白山・美濃越前・鈴鹿の南北稜からなる山地が急峻な壮年期山地を形成して縁どり、中央部の飛騨から美濃地方にかけての凹地帯には中山・低山山地および丘陵からなる飛騨・美濃・三河の各高原が壮年期や幼年期の地形を形成して位置し、その南西端には台地・沖積低地からなる濃尾平野が広がる地形配列を示している。

さらに中部地方には東西方向に急激な最大圧縮応力が生じたときに発生する北西から南東と、北東から南西の二走向からなる剪断(割れ目)性の地形が顕著にみられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

事典 日本の地域ブランド・名産品 「岐阜県」の解説

岐阜県

東海地方北部に位置する県。北部の飛騨地域は標高3,000mを超える山々が連なり、南部の美濃地域は濃尾平野に木曽三川(木曽川・長良川・揖斐川)が流れる。気候は標高差が激しいため、地域差が大きい。農業・畜産業が盛んで、平地は稲作、山間地は野菜、山地では牛の飼育がおこなわれる。県花は、れんげ草。県木は、イチイ。県鳥は、ライチョウ。県魚は、アユ。

[岐阜県のブランド・名産品]
あきしまささげ | あじめコショウ | イ草人形 | 伊自良大実柿 | 裏木曾夕森紬 | 恵那曲物製品 | 恵那ロクロ製品 | 円空彫 | 大垣の桝 | 大桑竹細工 | きくいも | 菊ごぼう | 菊花石加工品 | 岐阜渋うちわ | 岐阜提灯 | 岐阜長良川花火 | 岐阜和傘 | 杞柳製品 | 郡上鮎 | 郡上竿 | 郡上紬 | 郡上びく | 郡上本染 | 久瀬のまいおどり | 桑の木豆 | 小糸焼 | 弘法いも | 古今染め | 小屋名のショウケ | 沢あざみ | 山中和紙 | 渋草焼 | 十六ささげ | 白川郷のどぶろく | 白川郷の挽物 | 宿儺かぼちゃ | 精炻器 | 西濃大理石 | 関伝日本刀 | 関の手づくりナイフ | 関の刃物 | 瀬戸の筍 | 千石豆 | 高原山椒 | 種蔵紅かぶ | 藤九郎ぎんなん | 堂上蜂屋柿 | 東濃檜製神棚 | 徳田ねぎ | 南濃天然木工芸 | 西方いも | のぼり鯉 | 花合羽 | 半原かぼちゃ | 飛騨アイスクリーム | 飛騨一位一刀彫(一位一刀彫) | 飛騨一本太ねぎ | 飛騨牛 | 飛騨牛乳 | 飛騨高原牛乳 | 飛騨さしこ | 飛騨春慶 | 飛騨高山の有道しゃくし | 飛騨高山の紙絵馬 | 飛騨の家具,飛騨・高山の家具 | 飛騨の酒 | 飛騨のさるぼぼ | 飛騨紅かぶ | 飛騨宮村ひのき笠・一位笠 | 飛騨ヨーグルト | ひな人形・五月人形 | 蛭川みかげ石製品 | ふじ細工 | 富有柿 | 平成の円空彫り | 紅うど | まくわうり | みずなみ焼 | 南飛騨富士柿 | 美濃白川茶 | 美濃白川まゆの花 | 美濃焼 | 美濃和紙 | 美濃和紙加工品 | 本巣わら細工 | 守口だいこん | 山岡細寒天 | 山田焼 | 養老ひょうたん | 養老焼 | わしみかぶら | 和ろうそく

出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域ブランド・名産品」事典 日本の地域ブランド・名産品について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「岐阜県」の意味・わかりやすい解説

岐阜〔県〕
ぎふ

面積 1万621.29km2(境界未定)。
人口 197万8742(2020)。
年降水量 1827.5mm(岐阜市)。
年平均気温 15.8℃(岐阜市)。
県庁所在地 岐阜市
県木 イチイ
県花 レンゲソウ
県鳥 ライチョウ

日本の中央部にある内陸県。古くから「飛山濃水」といわれ,県域北部の飛騨地方は山地が広く,南部の美濃地方に木曾川,長良川,揖斐川の水に恵まれた濃尾平野が広がる。東部は飛騨山脈の 3000m級の山々が続き,その南を阿寺山地,恵那山地が占め,北西部は飛騨山地が占める。西部は両白,伊吹,鈴鹿の山地が連なり,南東部は美濃三河高原の一部,中南部に濃尾平野が広がる。河川は水量が豊富で,木曾川,長良川が南西流して伊勢湾に注ぎ,宮川 (神通川) ,庄川は北流して富山湾に注ぐ。気候は飛騨地方北部は日本海岸気候で冬に降水量が多く,飛騨南部や美濃地方は太平洋岸気候で夏に雨が多く冬は乾燥する。中央部の高山盆地は大陸性気候を示し,複雑な地形によって地域格差が大きい。かつて飛騨,美濃の2国からなり,江戸時代の終わりには諸藩に分かれ,飛騨は全域天領で,高山に郡代が置かれた。明治4 (1871) 年の廃藩置県で笠松県,岐阜県,高山県となり,1876年岐阜県として統合され現在にいたる。森林面積が広く,林業が盛ん。神岡鉱山は亜鉛鉱として日本有数の産出量を誇った。西部の伊吹山地東麓は石灰岩を多産する。南部は中京工業地帯の一部にあたり,繊維,窯業,機械工業が発達。刃物,紙,ちょうちんも特産。各河川の電源開発も進み,電源地帯を形成している。濃尾平野北部を中心に野菜,果樹を栽培。富有柿は特産。県域は中部山岳国立公園白山国立公園飛騨木曾川国定公園揖斐関ヶ原養老国定公園などに指定され,世界遺産条約の文化遺産に登録された白川郷や長良川の鵜飼いなどは全国的に有名。 JR東海道本線,東海道新幹線,名神高速道路が南部に通じ,東濃地区に中央本線,中央自動車道,飛騨地区に高山本線が通じている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

山川 日本史小辞典 改訂新版 「岐阜県」の解説

岐阜県
ぎふけん

中部地方の西部に位置する内陸県。旧美濃・飛騨両国を県域とする。幕末には美濃国に大垣・高富・郡上(ぐじょう)・岩村・苗木・加納・大垣新田の諸藩がおかれ,飛騨一国は幕領であった。1868年(明治元)美濃に今尾藩が立藩。同年両国の旧幕領に笠松裁判所がおかれたが,すぐに笠松県となり,飛騨国は飛騨県(高山県と改称)となる。翌年大垣新田藩は野村藩と改称。71年廃藩置県後の11月高山県は信濃の筑摩県に編入され,美濃の諸県は統合されて岐阜県となった。76年筑摩県の廃止により飛騨3郡を岐阜県に編入して現県域が定まった。県庁所在地は岐阜市。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

今日のキーワード

潮力発電

潮の干満の差の大きい所で、満潮時に蓄えた海水を干潮時に放流し、水力発電と同じ原理でタービンを回す発電方式。潮汐ちょうせき発電。...

潮力発電の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android