上諏訪の湯(読み)かみすわのゆ

日本歴史地名大系 「上諏訪の湯」の解説

上諏訪の湯
かみすわのゆ

天野信景の随筆塩尻しおじり」に「下諏訪しもすわニ温泉三ケ所、上諏訪ニ四ケ所アリ、此所ノ人ハ湯アミ衣洗フ、湖中ニモ温泉出ル、ソノ所ハ氷ラズ」とあり、上諏訪の四ヵ所は、蒸湯むしゆ(虫湯)精進湯しようじんゆ小和田平湯こわたひらゆ湯之脇平湯ゆのわきひらゆをさす。

湯之脇平湯は記録も古く、「当社神幸記」嘉吉三年(一四四三)の条に「佐久新海明神者従桑原平湯渡下御天、御参会湖中候」とある。

蒸湯は本町四辻の北方で、江戸時代、高島藩士の入浴が多く、四代藩主忠虎の入浴のことが「御用部屋日記」に散見される。「諏訪かのこ」には、精進湯は「市中にあり、日夜ゆあみの者たえず、工匠、賈人鬱を散じ、樵翁農夫労を解く」とあり、小和田の湯については、「疝気冷症によろし。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android