上長押(読み)カミナゲシ

デジタル大辞泉 「上長押」の意味・読み・例文・類語

かみ‐なげし【上押】

長押なげし上下に設けた場合の、上の長押。⇔下長押しもなげし

うわ‐なげし〔うは‐〕【上押】

鴨居かもいの上に渡す長押。⇔下長押したなげし

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精選版 日本国語大辞典 「上長押」の意味・読み・例文・類語

かみ‐なげし【上長押】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 長押が上下に設けてある場合、その上の方の長押。かみのなげし。⇔下長押
    1. [初出の実例]「母屋西第五間南面〈上長押下、掩妻戸之〉」(出典:台記‐仁平二年(1152)二月二七日)
  3. 手ぬぐいをいう、大工仲間用語

うわ‐なげしうは‥【上長押】

  1. 〘 名詞 〙 出入り口の上にあるなげし。⇔下長押
    1. [初出の実例]「上長押より鼠の走渡るに枕上に物の掻き落されたるを見れば」(出典:今昔物語集(1120頃か)一二)

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世界大百科事典(旧版)内の上長押の言及

【蟻壁】より

…おもに書院や客殿など住宅建築において,天井のすぐ下に設けられた丈の低い壁をいう。普通は上長押(かみなげし)(蟻壁長押ともいう)と天井の回り縁(まわりぶち)との間に横板をはめてしっくいを塗り,下方の壁とは違って柱面より外に付く。書院や客殿では猿頰天井(さるぼおてんじよう)(竿縁天井の一種)が多く用いられ,竿縁の割りが柱や束(つか)と少しずれるが,蟻壁を設けると柱や束が隠されるので,そのずれが目立たなくなる。…

【長押】より

…棖の字を当てる場合もあるが,棖は方立(ほうだて)である。使用する場所によって,地面に接する地(じ)長押,縁の上にある切目(きりめ)長押,切目長押上の丈の低い半長押,窓下の腰長押,開口部の上方に位置する内法(うちのり)長押,内法長押より上にある上(かみ)長押,蟻壁(ありかべ)を受ける蟻壁長押,天井に接する天井長押などがある。初めは柱を横につなぐための構造材であったが,鎌倉時代以降,貫(ぬき)を通して柱を固めるようになると,徐々に構造的性質を失って装飾的な材へと変質していった。…

※「上長押」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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